キュルテンはケルンから電車、バスを乗り継いで1時間あまりの小さな町です。この講習会に以前参加したことのある方の情報から、かなり田舎だと聞いていましたが、実際に電車、バスを乗り継いで行くとどんどん緑が多くなってセミナー会場の最寄りのバス停の近くには小川が流れ、まわりは美しい緑と点在する家だけという状況で、ここで本当にあの世界的な作曲家の講習会が行われるのか、と少し不安になりました。
木々に挟まれた小道を歩くこと数百メートル、なにやら学校らしき建物が表れました。事務局がどこにあるのやら良く分からず建物をうろうろしていると、ある男性の方が親切に場所を教えてくれました。こわもての人達がたくさんいるのかと勝手に想像していたため、いきなり拍子抜けしてしまいました。
そして事務局にいってみると若い女性と男性が笑顔で迎えてくれるではありませんか。CDジャケットでみるいっちゃった顔のシュトックハウゼンから勝手に想像していた講習会の雰囲気とあまりに違うのでまたまたびっくりしてしまいました。
ひととおりセミナーの内容の説明を受けた後、「シリウス」のリハーサルが数十分後に行われると聞き、いきなり私の気持ちは高揚してしまいました。
単に参加の手続きのためにとりあえず来てみたつもりが、ナイスタイミングでのシリウスのリハーサル。あの「シリウス」が生で聴ける!!
ホールの場所を教えてもらい会場に入ると客席が「シリウス」用に特殊な形で配置されています。
実はこのセミナー、夏休み中の学校を借り切って、演奏会はそこの体育館で行われたのですが、そこに最高級のPAや照明の機材を持ち込むことによって学校の体育館であることを忘れさせる素晴らしいステージを作り出していました。
(というか、はじめの2、3日間はあまりのステージの素晴らしさに、そういうことに気が付かなかったくらいなのです)
私がキュルテンに着いたのは講習会開始の前日、この日のリハーサルは全曲通しでのリハーサルでした。照明も衣装も本番と全く同じ。
会場が暗くなり冒頭の電子音が鳴り始めました。家庭用のオーディオでは決して聴くことのできないすさまじい超低音です。それから1時間以上繰り広げられる電子音と4人の素晴らしい音楽家の極上の音楽。まだ講習会の前日というのにいきなりの強烈な体験。
あまりに濃密すぎて1週間体が持つだろうか心配になるくらいでした。(つづく)