June 01, 2000
Antonio Carlos Jobim: Antonio Brazileiro
アントニオ・カルロス・ジョビンAntonio Carlos Jobim は言わずと知れたボサノヴァの作曲家である。
彼の曲に限らずブラジル音楽が大好きな私が彼の音楽に親しむきっかけとなったのは「島唄」などのヒットで知られる THE BOOM の音楽である。彼らの6枚目の大傑作アルバム「極東サンバ」ではアルバム全編にわたってサンバやボサノヴァなどのブラジル音楽の要素が取り入れられているが、このバンドのヴォーカリストであり、このバンドのほとんどの曲の作曲者である宮沢和史がジョビンの音楽にも影響を受けていることを知り、ジョビンの遺作となってしまったラスト・アルバム「ANTONIO BRASILEIRO」を買ったことが彼の音楽との出会いである。
ジャン、というギターの短い和音、そしてちょっとたどたどしいけれども味のある、ジョビンの歌声に導かれて軽快なリズムが始まり、やがて女性コーラスや小編成のストリングスが加わっていく絶妙な展開や、ジョビンの曲のトレードマークとも言える凝りに凝っていても嫌味に聴こえない和声進行など、始めの1曲で私はジョビンの音楽の虜となってしまった。
そしてしばらく聴いていくと別の歌声が・・・(しかも超うまい)
クレジットを見るとそこには、スティングの名が・・・
えっ、と思いもう一度良く見てみるとベースにはジャズ界の大御所ロン・カーターの名前も発見!!
やっぱりこのオッサンは偉い人だったんだと納得。
かと思えば、孫くらいに歳の離れたジョビンの娘のあどけない声が聴こえて来たりと、有名であろうがなかろうが、自分の音楽に共感してくれる人なら誰とでも一緒に音楽しようという、彼の飾らない人柄が窺え、ますます彼の音楽に惹かれていくことに気付く。
このアルバムの中には一般的なサンバやボサノヴァのイメージからかけ離れた、ちょっとクラシカルな要素を含んだ曲もさりげなく収録されていて、このアルバムを聴き終わる頃には「ジョビン様、参りました」状態に(爆)
ちなみにこのアルバムの最後の曲がなんとなくスティーヴ・ライヒの「ディファレント・トレインズ」に雰囲気が似てたりする(たまたまでしょうが)
こういう訳で彼の音楽にはまってしまった私は、当然のように彼の他のアルバムを聴いたり関連ミュージシャンの作品に触れていく内にジョビンだけでなくブラジル音楽全体のファンとなってしまった訳である。
