December 22, 2005

Miles Davis: The Cellar Door Sessions 1970

cellar.jpg待ちに待ったこのボックスセットが遂に発売されました。数カ月前に発売がアナウンスされていながら土壇場で何度も発売延期になっていて(甥のヴィンス・ウィルバーンが些細なことにケチを付けたのが大きな原因になっているようです)、Amazonに注文してもまた延期かな、と半信半疑でしたが、現物がようやく届きホッとしています。
この録音は1970年12月16日から19日にかけてワシントンのセラー・ドアーで行われた一連のライヴの録音で部分的には以前から「LIVE EVIL」に含まれていましたが、ここにきてその全貌がようやく明らかになりました。

何といっても若き日のキース・ジャレットとジャック・ディジョネットがマイルスと共演している、ということが大きなポイントですが、最大1時間近くのノンストップの演奏が編集なしのライヴそのままの状況で聴けるのは非常に嬉しいです。LIVE EVILに収められたテイクではジョン・マクラフリンも加わった編成での最終日の演奏が使われていますが、キースも述懐しているとおり、彼が加わることにより音楽のバランスが乱れ、演奏もやや冗長なものになっていることが、前日までの演奏と聴き比べてみてよく分かりました。キース・ジャレットが現在は決して演奏することのないエレクトリック・ピアノとオルガンを同時演奏しているところももう一つのポイントですが、この同時演奏による音色の美しさは格別です。テンション・コードを多用しないゴスペルを思わせるような明快な和声でウネウネと全体のサウンドに切り込んでいく様が全編にわたって印象的でこの時期のロック的なコンセプトにもピッタリはまっていますが、マイルスのトランペット、ジャック・ディジョネットのドラム、アイアート・モレイラのパーカッションとの有機的な絡み合いも非常に興味深いです。
ジャック・ディジョネット天才的なドラムも素晴らしいし、マイルスのプレイも非常に活き活きとしていてこのバンドの好調振りが伺えますが、やや痛いのがゲイリー・バーツのサックスでしょうか。これらの天才の神がかったプレイと比べると彼の発想の凡庸さが気になりますが、全体のサウンドにとって必要な音色ではあるのでそこには目をつむりましょう。

マイルスとキース・ジャレットのここでの共演は、キースと同じくマイルスのバンドに短期間しか在籍しなかったビル・エヴァンスとの名盤「KIND OF BLUE」での共演に匹敵する「奇跡」だと言っていいほどの貴重な記録だと思います。

まっちゃん@シリウス : December 22, 2005 02:27 PM | トラックバック (1) | Miles Davis

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コメント

わたしも、某ジャズ喫茶で一部聴きましたが、とんでもない代物ですね。

ブートで『マイルス・アッと・フィルモア』の未編集盤もここで聴きましたけども、ここでもキース・ジャレットが狂ったように演奏していて、最高でした。

dolphy : December 22, 2005 09:43 PM

「アット・フィルモア」とはキース・ジャレット、チック・コリアの両巨匠揃い踏みのライヴのことでしょうか?

あのアルバムはLIVE EVIL以上に激しく編集されてますから、是非とも未編集版を聴いてみたいですね。

まっちゃん@シリウス : December 24, 2005 08:14 AM
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