July 23, 2006
「祈り」 幻の世界初演
シュトックハウゼンの異色作にして重要作である「祈り」についてはじめて知った情報があったので、これも忘れない内に投稿しておきます。
以前から、ある文献でこの作品は第一勧銀が委嘱したものである、ということは知っていたのですが、なぜ作曲から30年たった今まで日本で全く演奏されないていないのか疑問でした。タイトルも日本語のINORIそのものですし。
スージーにも確認をとったので確かな情報だと思いますが、もともと世界初演は小澤征爾によって行われる予定だったそうです。しかし、彼はオーケストラにマイムのソリストが加わる事が気に入らず、マイム抜きのオーケストラだけによる演奏を希望したのですが当然シュトックハウゼンは拒否、日本での世界初演はお蔵入りになってしまったということです。
ジェスチャーと音楽の有機的な結びつきがこの音楽のテーマなのでシュトックハウゼンが拒否したというのは至極もっともな話ではあります。
指揮者も部分的に祈りのジェスチャーをする部分があったり、あのエトヴェシュをして「これまで指揮した中でもっとも振るのが難しい」と言わしめた複雑且つ頻繁なテンポ変化(一小節に2回テンポが変わるのは当たり前)を知って、小澤氏はおじけづいて適当な理由をくっつけて断ったのでは、と、意地の悪い見方もしたくなりますが、十分なリハーサル回数さえ確保できれば日本人の指揮、日本のオーケストラでの演奏は可能だと思うのですが何とか実現しないものでしょうか。
ジェスチャーにしてもオーケストラのサウンドにしても非常に日本を強く意識したもので日本人による演奏が非常にしっくり来ると思うのです。
今年は半分冷やかしで「祈り」のマスタークラスに数回参加してごく一部のジェスチャーを勉強しましたが、まったくダンスの素養がないのにも関わらず、色々な人から私の動きが作品にフィットしていると言われてちょっとびっくりしました。
アラン・ルアフィにも日本で一緒にやろうか、と冗談を言われる始末で。
ただし、この作品少しかじるだけなら簡単ですが、独特の記譜法でジェスチャーが記された70分以上のこの作品のすべての動きを学習して覚える、という作業には気の遠くなるような努力が必要とされます。
(最近はもっぱら二人、または三人のソリストを同時に演じさせるとのことなので、動きを間違えると当然悲惨な事になります)
ダンスが本職のアラン・ルアフィも世界初演に先立って、3ヶ月間毎日8時間の練習を必要とした、と話していました。
シュトックハウゼン自身が指揮をする場合も、基本的に2,3ヶ月前から「指揮の練習」をする必要があるとも聞きます。
それにしても「祈り」のクラス、全受講者が参加できるように、との配慮で朝8〜10時の開講ですが、これに参加するとコンサート終了の夜10時までの12時間以上のコースになってしまい気絶しそうになってしまいます。レッスン前のストレッチのようなウォーミングアップは非常に気持ちが良かったのですが。。。
まっちゃん@シリウス : July 23, 2006 07:03 AM | トラックバック (0) | Stockhausen , シュトックハウゼン講習会2006
でも、誰かがやらないと、いけないよね。
閘門大師 : July 23, 2006 12:34 PM一緒にやります?(汗
3ヶ月間一緒に合宿が必要ですが。。。
まっちゃん@シリウス : July 24, 2006 11:57 AM