September 12, 2006

スペクトル

昨日、東工大のコーラスのヴォイス・トレーニングをした時に、ある学生がその模様をパソコンのスペクトル解析のソフトを使って記録しているのを見つけ、面白そうだったのでそれをヴォイス・トレーニングを受ける学生に見せながらレッスンしてみました。
声の「響き」の良し悪しはある程度、声の倍音成分の分布の仕方から分析出来るので、「今の声はうまく鳴っていないからこのあたりの周波数の倍音があまり出ていない」、などと言ってそのソフトが書き出すグラフを見ながら指摘出来る訳です。もちろん私が同じパッセージを歌って倍音成分の違いを目で比較させることも出来ます。
スペクトルとは直接関係ありませんが、レガートが出来ないと各音の間の音量が一瞬下がるのも一目瞭然ですから、学生に自覚症状を持たせる上でも有効です。

音を聞いて響きの違いを判断出来るのがベストなのですが、東工大生のような理系の学生にはスペクトル解析をしたグラフを見せた方が納得しやすい、というのが興味深かったです。

私も、普段耳で感覚的に捉えていることを、「科学的」に確認することができて新鮮な体験でした。

この手のスペクトル解析のアプリケーションはMaxMSPを使えば簡単に作れるので、早速制作してみました(上図、クリックで拡大)。
ついでにオシロスコープやレベルメータもくっつけておきました。

上図は私の声をMacの内蔵マイクでひろったものをスペクトル解析したものですが、母音の変化やピッチの変化が視覚的に分かるかと思います。ちなみに右側のほうはホーミーをやってみたものですけど10000Hz近くの高音域(グラフ上方)も良く鳴っていることが興味深いです。

歌の練習で使えそうなものとしてVocal Labというのも面白いですが、これは歌ったピッチをグラフで記録していくもので音程感覚を鍛え上げるのに役立ちます。
下のスクリーンショットでは4分音の練習もやっています(右側)が、こうやって見ると思ったよりもピッチが不安定であることが痛感されます。
予断ですがこのソフトの描く図形はケージの「龍安寺」のスコアを思い起こさせます。

まっちゃん@シリウス : September 12, 2006 11:04 PM | トラックバック (0) | その他の音楽

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コメント

松平さん理系だったんですね(笑)
確かに理系の人間にはこういったグラフの方が理解というか納得しやすいでしょうね。
こもってるだぶら下がってるだ、感覚的な言葉より○○ヘルツ下がってるとか・・・
面白いですね。
逆にバリバリの文系音楽家にこれを見せても
綺麗に響いてるかどうかが問題でしょ。
とか言いそうですね。
理解できないものは受け入れ難い。

higashi : September 14, 2006 08:03 PM

いいえ、文系です...といっても結構理系っぽいかも。

音楽の理論って結構理系的なところがあるし(ピタゴラス音律とかフィボナッチ数列とか)、スペクトル解析のグラフとか見るのも大好きです。
(スペクトル楽派なんてのもあります)

ただ、理論的に納得云々というより、グラフの絵画的な魅力に魅かれるという側面が強いかもしれません。この画像だけだと分かりにくいですが、実際はリアルタイムで音響がアニメーション画像に変換される訳で、音と絵のコラボレーションを楽しんだりしています。

まっちゃん@シリウス : September 14, 2006 11:29 PM

百もご存知でしょうが、AudioSculptというソフトもあるらしいですね。
20代の作曲家の人が書いていましたが、オーケストラ伴奏の歌曲
から歌だけを分離したりもできるそうです。私には遠い世界です(^^;)。
http://www.macmusic.org/software/view.php/lang/en/id/2091/

モイーズ : September 22, 2006 10:33 AM

このソフトは知りませんでした。

ヴォーカルを抜いてカラオケを作れるヴォーカル・キャンセラーなら巷に溢れていますが、その逆というのはすごいですね。

少し話はずれますが、録音したヴォーカルの音源を音符ごとに分解してmidiファイルを操作するような感覚でピッチやリズムを補正するソフトもありますね。

まっちゃん@シリウス : September 22, 2006 11:15 PM
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