December 29, 2006
続「宇和島駅」


昨日たまたま本屋で手にした大竹伸朗のエッセイ集「ネオンと絵具箱」をパラパラめくってみると、「全景」展の会場の屋上に燦然と鎮座していた「宇和島駅」の看板(直前のエントリーに記載)についての話があり、思わず本を購入しました。
やはり「宇和島駅」は6, 7年ほど前まで実際に使われていた宇和島駅の看板で、駅改築の際そのまま捨てられる運命にあった看板を大竹氏が駅から譲り受けたとのことです。
あの看板は私が宇和島に住んでいた高校時代まで当たり前すぎる風景の一部として見慣れていて、当たり前すぎるが故、駅が改築されて看板がなくなっていることにも気付かなかったくらいなのですが、東京のど真ん中で思わずあの看板を発見した時、当たり前すぎる記憶の奥深くにしまわれていた(記憶にあることすら意識されていない)イメージが、本来ありえない文脈で突然目の前の現物として表れた衝撃は、ある意味今年最大のイベントといってもいいかもしれません。
その他、宇和島でのエピソードなどもたくさんのっていますが、何の変哲もない現代芸術とは縁のもっともなさそうな田舎町で、世界的な奇才が常人の発想の全く及ばない様々なことを考えているという現象に、半分当事者のような不思議な感覚を持ちながら読み進んでいるところです。
一方「全景」展の売店で売っていたこれまた世界的奇才ミュージシャンのヤマンタカƎYE氏と共作したCD「PIPELINE」の封をようやく切り、天才なのかキ○ガイなのか判断しかねる「紙一重サウンド」に耳を傾けながら付録のブックレット「ヤマンタカ日記」を読み、ここでまた悶絶します。
宇和島と大阪で録音されたこのCDの製作日記である「ヤマンタカ日記」はレコーディングの合間でのエピソード満載ですが、矢継ぎ早に繰り出されるヤマンタカ氏の「紙一重」的な行動と発言の数々に圧倒され、そのいくつかが何の変哲もない我が故郷宇和島で起こっていたことにまたしても大きな衝撃を受けます。
宇和島が日本に誇る(?)「秘宝」の宝庫、多賀神社(別名凸凹神社)でのエピソード、大阪での「万引き」ならぬ「万置き」(お店の人に無断で変な商品を店に勝手に陳列して逃げる)のエピソードなど、大竹氏のツボを押さえた文章と、そのユーモアをさらに増幅させるような絶妙な装丁で私の心は鷲掴みにされてしまいました。
まっちゃん@シリウス : December 29, 2006 09:47 AM | トラックバック (0) | Art