November 28, 2007
KLANGは「21時間目」まで完成!
シュトックハウゼンの7つのオペラ「光」に続くプロジェクト、1日の24時間を音楽化しようとするKLANGが実はすでに21時間目まで完成していることが判明しました。
作曲年のない11,12時間目は作曲中かと思いますが、残るは22~24時間目の3曲のみ、このペースで行くと2008年に全曲が完成しそうな勢いです。
詳細は以下のPDFファイルの27〜28ページ目をご覧下さい。
http://www.stockhausen.org/list_scores_books_2007.pdf
以下に日本語に訳してまとめたものを掲載します。
14〜21時間目は13時間目「宇宙の脈動」の電子音楽24のレイヤーを3層ずつにばらしてミキシングし直し、そのレイヤーの音域に近い楽器または歌手のソリストが同時に演奏する形になっているようですが、不思議な響きのタイトルはUrantia Bookから取っていると思われます。
「1時間目:昇天 HIMMELFAHRT」(2004/05)[37分]ソプラノ、テノール、オルガンのために CD83
(2005年5月ミラノ大聖堂で初演)
オルガン・パートは左右の手で同時に異なるテンポで演奏しなくてはならない。
オルガン・パートをシンセサイザーで置き換えた版もある。
リンク:公式ページ上の簡単な解説
「2時間目:喜び FREUDE」(2005) [41分]2台のハープのために CD84
(2006年6月ミラノ大聖堂で初演)
2人のハーピストは演奏しながら歌も歌う。歌詞は24行のVeni Creator Spiritusで各行がこの作品の24の音楽的モメントに対応している。
リンク:公式ページ上の簡単な解説
「3時間目:自然の持続時間 NATÜRLICHE DAUERN」(2005/06)[約140分]ピアノのために CD85
(2006年2月NYにて1曲目、2006年7月ドイツ、キュルテンにて2-15曲目を初演。
2007年7月リスボンにて16-24曲目を初演。)
ピアノの持続音の自然な減衰時間やピアニストの呼吸の長さなどに基づいた非メトロノーム的テンポでリズムが決められ、それ自体が24の作品から構成される。
「4時間目:天国への扉 HIMMELS-TÜR」(2005)[約28分]打楽器奏者と子供のために CD86
(2006年6月イタリア、ルーゴで初演)
6つの異なる素材でできた木のドアを打楽器奏者が様々な方法で叩き続ける異色作。
「5時間目:ハーモニー HARMONIEN」(2006)[約15分]フルート、バス・クラリネット、またはトランペットのために
(2007年7月ドイツ、キュルテンにて初演)
管楽器の広音域にまたがる素早いアルペッジョの加速や減速によってメロディーとハーモニーの領域をつなぐ。
「6時間目:美 SCHÖNHEIT」(2006)[約30分]バス・クラリネット、トランペット、フルートのために
(2009年10月リスボンにて初演予定)
「7時間目:バランス BALANCE」(2006/07)[約30分]バス・クラリネット、イングリッシュ・ホルン、フルートのために
(2008年8月ケルンにて初演予定)
「8時間目:至福 GLÜCK」(2006/07)[約30分]ファゴット、イングリッシュ・ホルン、オーボエ、シンセサイザーのために
「9時間目:希望 HOFFNUNG」(2006/07)[約35分]チェロ、ヴィオラ、ヴァイオリンのために
(2008年8月ケルンで初演予定)
「10時間目:輝き GLANZ」(2006/07)[約40分]ファゴット、ヴィオラ、クラリネット、トランペット、トロンボーン、オーボエ、チューバのために
(2008年6月アムステルダムで初演)
「11時間目:忠誠 TREUE」[約30分]バス・クラリネット、バセット・ホルン、Es管クラリネットのために
「12時間目:覚醒 ERWACHEN」[約30分]チェロ、トランペット、ソプラノ・サックスのために
「13時間目:宇宙の脈動 COSMIC PULSES」(2006/07)[32分]電子音楽 CD91
(2007年5月ローマにて初演)
24層のパルス風(ただししばしばテンポの変化を伴う)のメロディーのループが8チャンネルの空間で複雑に重なりうごめく強烈な電子音楽。
リンク:公式HP上の曲目解説
「14時間目:HAVONA」(2007)[24分10秒]バスと電子音楽のために
(layers 24 - 23 - 22 from COSMIC PULSES)
(2009年1月パリで初演予定)
「15時間目:ORVONTON」(2007)[24分]バリトンと電子音楽のために
(layers 21 - 20 - 19 from COSMIC PULSES)
「16時間目:UVERSA」(2007)[22分40秒]バセット・ホルンと電子音楽のために
(layers 18 - 17 - 16 from COSMIC PULSES)
「17時間目:NEBADON」(2007)[21分40秒]ホルンと電子音楽のために
(layers 15 - 14 - 13 from COSMIC PULSES)
「18時間目:JERUSE」(2007)[20分40秒]テノールと電子音楽のために
(layers 12 - 11-10 from COSMIC PULSES)
「19時間目:URANTIA」(2007)[19分40秒]ソプラノと電子音楽のために
(layers9-8-7fromCOSMIC PULSES)
(2008年11月ロンドンで初演予定)
「20時間目:EDENTIA」(2007)[18分40秒]ソプラノ・サックスと電子音楽のために
(layers6-5-4fromCOSMIC PULSES)
(2008年8月ハンブルクで初演予定)
「21時間目:楽園 PARADIS」(2007)[18分]フルートと電子音楽のために
(layers3-2-1fromCOSMIC PULSES)

14時間目以降は、宇宙の脈動の3レイヤーずつの電子音楽とソロ楽器(歌唱)のための音楽なのですね。
このペースで行くと、2008年か2009年には全曲完成するかもしれませんね。
さなやん(りろ@涅槃) : November 30, 2007 02:12 PM15時間目は、まっちゃんのレパートリーに入る予定でしょうか。
あと11時間目は、同族楽器のトリオということで、一体どんな響きになるのか楽しみです。
さなやん : December 1, 2007 06:01 AM来年のキュルテンの講習会では、COSMIC PULSES絡みの14~21時間目の複数の作品(そして13時間目の再演)が初演されるのでは、と予想します。
「友情に」の類の作品を除いて、ホルン・ソロのための作品ははじめてではないでしょうか。しかも電子音楽と絡むということでさらに興味は深まります。
9時間目の弦楽三重奏+タムタムという編成もかなり気になります。
ミクロフォニーIのような手法でタムタムの多彩な音色を引き出し、それが弦楽器の音色と溶け合うような作品なのでは、と予想します。
バリトンと電子音楽のための15時間目ORVONTONの存在は今年の講習会のときから存在を知っていましたが、電子音楽のミックス・ダウンが完成すれば、音源とスコアを送ってもらうように手配しているので、来年の講習会に向けて練習する予定です。
まっちゃん@シリウス : December 1, 2007 11:55 AM今、完成された21時までの演奏時間を通算してみましたが11時間28分かかる超大作なのでWikipediaに乗っけておきました。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BC%94%E5%A5%8F%E6%99%82%E9%96%93%E3%81%AE%E9%95%B7%E3%81%84%E6%9B%B2#10.E6.99.82.E9.96.93.E4.BB.A5.E4.B8.8A
完成していたら13時間ぐらいかかっていたかもしれませんね。
今、完成された21時までの演奏時間を通算してみましたが11時間28分かかる超大作なのでWikipediaに乗っけておきました。完成していたら13時間ぐらいかかっていたかもしれませんね。
Shigeru Kan-no : December 14, 2007 12:36 AMShigeru Kan-noさま>
スパム対策でリンクが張れなくなってますのでご了承下さい。
早速リンク先見てみましたが、こうして見るとヴァーグナーの「指環」よりも少し短い演奏時間ということになりますね。
これだけの演奏時間のものを4年間で作曲してしまったとは、年齢のことも考えると驚異的です。
まっちゃん@シリウス : December 14, 2007 12:42 AMさっきも別のとこにコメントしたのですがスパム対策のためだったのかなかなか出来ませんでした。メールアドレスも古いものでなんか癖で書いてしまうのですね。今のが正解です。
24時まで全部できなかったのは残念です。でも弟子がたくさんいますから誰かが完成してくれると思います。作曲が早かったようですが多分即興的に書いたのでしょう。それ以外は物理的な時間だけのはずです。といってもスコアを見ていないのでどれだけの密度かはわかりませんが。ここはすぐ近くですが葬儀には行かなかったです。結局キュルテンには一回も行ったことはないですね。最後は2年前にケルン大学で会っただけですね。今年は風邪でずーっと悩まされています。
Shigeru Kan-no : December 19, 2007 07:17 AMShigeru Kan-noさん>
ご迷惑をお掛けし申し訳ございません。
>作曲が早かったようですが多分即興的に書いたのでしょう。
少なくとも私が楽譜を確認した1〜4時間目に関してはそういうことはありません。むしろ非常に緻密なスケッチをもとに周到な計画の元に作曲している事が伺えます。(1時間目、2時間目に関しては膨大なスケッチのファクシミリ付きの分析文献が手に入ります)
KLANGの作曲が早かったのは編成が小さなものが多いというのが大きいと思いますが、ひょっとしたら先が長くない事を予感したシュトックハウゼンの「戦略」だったのかもしれません。