May 17, 2008

アンサンブル・モデルン シュトックハウゼン・プロ

備忘録程度に簡単な感想だけ。

「ソロ」
予想通りリアルタイムの複雑なディレイ処理ではなく、あらかじめディレイ音を録音、処理した音源をヘッドホンからのクリックトラックで同期して演奏していました。ミキシング・コンソールに行って確認したら、この音源のCD-Rが置いてありました。
そのためか生演奏と(偽)ディレイの音色感に大きな差がありました。

「クロイツシュピール」
トムトムのスフォルツァンドがうるさすぎ&音が汚く、全体の音量バランスを見事に壊していました。
全体に打楽器パートの音色感覚に緻密さが不足。
シュトックハウゼンがいたら速攻でダメ出しするのが目に浮かびました。

「小ハルレキン」
プログラムに「日本初演」と書いてあったのは夢だったのでしょうか。。

メイクが不気味で、前曲から連続演奏で負担の大きい割にはそれなりに健闘していました。
ただ、動きがこんなんだっけ?と感じた箇所が多々あったのと、シュトックハウゼン講習会のクラリネット・クラスの「入門曲」であるこの曲のキュルテンでの演奏と比べると、冒頭の至難なアルペッジョひとつとってもキュルテンでやってる人は相当ハイ・レベルな演奏をしていたのだ、と再確認しました。

「マントラ」
華麗に弾き飛ばしてました。
異様にテンポが速かったのですが(演奏時間60分)、それに呼応して細かいフレーズがすべてうやむや。
かなり分かりやすいミスタッチも数え切れないくらいありました。
そして全体に力任せに弾きすぎて音色も乱暴な感じがしました。
リング変調はすこし深すぎるかなと思った箇所もありましたが、生楽器とのミックス具合は悪くなかったと思います。

しかし、途中、短波ラジオの録音が加わる所で、ピアニストが使っていたフェーダーが故障してフェイドアウトできなくなってしつこく合図していたのに(「お能」のエピソードの所辺りまで音がなっていました)、舞台後方のサウンド・プロジェクショニストは放置。スコア見ずにミキサー操作していたのでしょうか。

特に前半、照明のノイズが気になりました。

散々不満を書き散らしましたが、日本でこのようなプログラムによる演奏会自体が少ない事を考えると、とにかく演奏してくれただけで御の字なのでしょうか。
あるいは、急遽決まった企画に関わらず、演奏の緻密さはともかく、短期間で本番が成り立つ程度に素早く準備できるのは悪く言えばやっつけ仕事ですが、よく言えばそれだけの能力があるということでしょう。

まっちゃん@シリウス : May 17, 2008 12:29 AM | Stockhausen

Dwnld_iTunes_bdg_H_wht.gif
コメント

プログラムに各曲目についてのシュトックハウゼン自身による解説(山下訳、清水監訳)が載っていましたが、これ、山下さんらにちゃんと許可をとって転載されているのかが少々気になりました。

いしづか : May 17, 2008 02:07 AM

マントラ、聴き通すのが結構苦痛でした。
冒頭のフォルメルが出たとたん、「あ、だめかも」と思いました。(笑)

なんというか、前衛ジャズピアニストの演奏を聞いているようで。

小ハルレキンは、死人メイクが不気味でしたけど、衣装は可憐で演奏も楽しめました

りろ@Sternklang : May 17, 2008 07:01 AM

りろさん>

昨晩はうまく落ち合えず残念でした。
「マントラ」の右側のピアニストのカウントをあからさまに取っているのがものすごく気になりました。そんなにぶっとばさなくても良いから、もっと丁寧に弾いて欲しいなと、随所で気になっていました。

いしづかさん>

転載の許諾のことも気になりましたが、さらなる問題点は、あれが作曲者自身によるものだ、ということが文章をよく読まないと分からないのと、原文から大幅なカットを行ったために文章のニュアンスが大きく変わってしまったことでしょう。

まっちゃん@シリウス : May 17, 2008 08:56 AM

「マントラ」で変調かかってるところでもガスガス鍵盤をぶっ叩くものだから(しかも荒い息づかいで)、かなり汚い音になってたのが個人的には気に入らなかったのですが…変調自体はあの位かかってた方が差異が楽しめるかと。
pの箇所なんかは面白い音が出てましたね。

最前中央を知り合い5人が占めていたのは、かなり壮観でした(苦笑)。

Yum : May 17, 2008 10:19 AM

Yumさん>
シュトックハウゼン監修の最新録音ではもう少し変調が少ないですが、非常に美しい効果が出ています。
昨晩くらいかけるのもありだとは思いますが、低周波で変調する所などは変調の効果を弱めるなど、状況に応じて加減すればより良かったかと思います。

しかし、短波ラジオ音源のミスから察するに、基本設定だけ行ったらあとは放置、スコアの細部に興味なし、という印象でした。

まっちゃん@シリウス : May 17, 2008 11:12 PM

「クロイツシュピール」は僕が始めてシュトックハウゼンの講習会をフランクフルトで受けたときに彼が一週間アンサンブル・モデルンをプローべして見せたものでした。その後アルテ・オーパでGPだったんですがその段階でもできなかった。もう見越して本番行かないでStuttgartに帰ってきましたけれども!そのときのプローべの隠し取りのテープだけが残りました。その後僕がパリのアンサンブル指揮したときも良くはずしたものでした。つめて言えば今でもそれだけ難しい曲だということができます。あれ以降アンサンブル・モデルンも進化していないのかな?Wikipediaでは全盛期はもう過ぎたというけど大丈夫かな?

Shigeru Kan-no : May 18, 2008 05:37 AM
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?