シュトックハウゼンの初期のオーケストラ曲プンクテが彼には珍しく長期間の改訂が行われてきたことはご存知かと思います。50年代初頭に作曲され60年代になってブーレーズの指揮で初演された時にかなり大幅な改訂が行われ(75 Jahre Donaueschinger Musiktage 1921-1996という有名な12枚組のボックスセットにその演奏が収録されています)、70年代にもさらに改訂がほどこされ(Stockhausen-VerlagのCDに作曲者指揮によるこの時点での版が収録されています)、90年代に入ってからも更なる改訂が施されています。(Universalから出版されているスコアはこの最終稿です)つまりほとんど40年間にわたって改訂された、ということになります。
最終稿での公式な録音はまだ発売されていませんが、60年代の版と70年代の版とで、10分以上の演奏時間の違いがあるように相当に内容が違っています。演奏はブーレーズの初演はあまり録音状態は良くないものの、相当に頑張ってスコアに忠実に演奏しようとしている様子が窺えますけれど、やはりこの時期の版だと音楽的なフォーカスがいまひとつ絞りきれていないように感じます。70年代の版だと、こちらは録音も良く、作品としての完成度も大幅に向上して、今や私の大好きなシュトックハウゼン作品となっています。90年代に最終的な改訂が行われたあと、ここ数年でケント・ナガノやエトヴェシュがこの曲を演奏するなど注目も集まり、もはや初期の失敗作ではなく、充実した名作であるといえると思います。
ところで、初期の失敗作というと、私はどうしてもSpielの面白さが分からないし、これははっきり言って大失敗の作品ではないかと思いますけど、どうでしょ?
昨日シュトックハウゼンは76回目の誕生日を迎えました。公式HPのトップページを下の方までスクロールして欲しいのですが、バースデー・ケーキを前に無邪気な笑顔を作るシュトックハウゼンのなかなかレアな写真がアップされています。短期間のみのアップとなる可能性も高いので、これは一見の価値有りですよ。
本日キュルテンより戻ってきました。
「日曜日」のEngel-Prozessionen, Düfte-Zeichen, Hoch-Zeitenのマルチチャンネルによるテープ演奏とSonntags-Abschiedの世界初演(休憩を挟んで2度繰り返して演奏されました)と、「日曜日」づくしでしたが、「日曜日」のLichter-Wasserをのぞく初演済の作品がすべて今回のセミナーで演奏されたことになります。Hoch-Zeitenのオーケストラ版とSonntags-AbschiedはHoch-Zeitenのコーラス版をそれぞれオーケストラと5台のシンセで解釈し直したヴァージョンですし、コンポジションセミナーでHoch-Zeitenの様々な形態での全曲演奏を聴いたので、この曲は一気に10回近く聴いた計算になります。それでもあまりに複雑すぎて理解度はまだまだです。オーケストラ版のスコアのコピーが昨年と同じく25ユーロという破格値で入手できたので、ゆっくり復習しようと思います。
「水曜日」からも「水曜日の迎え」「ヘリコプター弦楽四重奏曲(8チャンネルテープによる上演)」と充実の2曲が聴けましたし、Xiのトリオ版と喩えたくなる微分音を多用したQUITTや「金曜日」の「エルーファ」のヴィブラフォンソロ版となるVIBRA-ELUFAの両曲とも美しい作品でした。
微妙に予測不可能だった「ティアクライス」のテノール&シンセサイザー版ですが、これはとても気に入りました。オルゴール風の音色を基調としつつ、シンセならではの複雑な音色変調を施すアントニオのシンセのプログラミングの手腕には驚かされました。ちなみにレッスンの中でアントニオがこのシンセのプログラミングに関して細かくデモンストレーションをしてくれました。
とりあえず大まかな報告まで。
「シュトックハウゼン見聞録」にHoch-Zeitenの記事を追加しました。この記事を書くに当たって昨年のコンポジション・セミナーのテキストや20ユーロという破格値で販売されていたこの曲の巨大なスコアの学習用コピー(去年の時点では正規の楽譜がまだ出版されていなかったのです) を引っ張り出して改めてこの作品の素晴らしさを実感しました。キュルテンに行ってまずはこの曲のCDを買わなくてはなりません。
ともかくこれで昨年の講習会のレポートようやく完結です。そして一週間後には今年の講習会がスタートしているはずです。
それにしても締め切り効果ってすごいですね。
半年以上何も書けなかったものが、締め切りを意識した途端に1ヶ月弱で一気に完成させられるのですから。。。
シュトックハウゼンの新譜CDを大量にオーダーしておいたものが先日届きました。異常に到着が遅いな(ほとんど2ヶ月)、と思っていたらエアメール料金も支払ったにも関わらず船便で送られていました。その旨カティンカにメールをしたら平謝り状態でしたが、この浮いた35ユーロをキュルテンの売店で買う時に割り引いてもらうようにお願いしました。
今回購入したものの内、特に「日曜日」からの2場面、「Engel-Prozessionen」「Düfte-Zeichen」のCDの音楽と録音の完成度の高さには大きな感銘を受けました。
ア・カペラの合唱のためのEngel-Prozessionenは演奏会場内を動き回る7群のコーラスと客席を取り囲むように配置されピアニシモで持続和音を歌うトゥッティ・コーラスで構成され、これをステレオでミックスするのはほとんど不可能ですが、通常の合唱曲の録音では非常識ともいえる独特のミックスを施しこの問題を解決しています。「水曜日」の「世界議会」での精緻きわまりない合唱書法も素晴らしかったですが、この作品ではそれを上回る複雑さと美しさを味わうことが出来ます。この作品で見られる全パートが細かい音形で軽やかに動き回りますが、その自由さは声楽の限界を越えて精密な器楽合奏を聞いているような感じになります。
ちなみに背景でかすかに演奏されるピアニシモのトゥッティ・コーラスはそれだけをよく聞くことが出来るように、このパートだけを抜き出したミックスがもう一枚のCDに収録されていますが、これも実に美しいです。
Düfte-Zeichenは全曲が名曲の「日曜日」の中でもとりわけ音楽の美しさと神秘性において群を抜く出来栄えだと思います。
7人の歌手とボーイソプラノ、シンセサイザーというシンプルな編成ですがそれぞれの歌手のソロやデュエットなどでの巧みなメロディーの取り扱い方、基本的に持続和音をのばすだけのシンセパートが時折奏する星の煌めきや流れ星を思わせるようなシンプルで且つ効果的な合いの手など円熟の境地に達した作曲家ならではの味わい深い音楽を堪能することが出来ます。
特にこの作品の後半になって登場するアルトとボーイ・ソプラノのデュオ、それをいろどる6人の歌手によるシュティムングなども思い起こさせるハーモニーは絶品です。
待望のHOCH-ZEITENのCDが発売されました。とりあえず合唱とオーケストラ両方が同時に演奏するヴァージョンからです。
あと、昨年のシュトックハウゼン講習会のレポートに「カレ」「祈り」を追加しました。「写真別館」にもこっそり新しい写真をアップしています。
以前からアナウンスのあった次のCDが出荷されています。
CD 69 DÜFTE – ZEICHEN / SCENTS – SIGNS (4th scene of SUNDAY from LIGHT)
for 7 vocalists, boy’s voice, synthesizer
25 €
CD 70 9 SCENTS OF THE WEEK (from SCENTS – SIGNS for 7 vocalists, boy’s
voice, synthesizer)
23 €
早速シュトックハウゼン出版に「シリウス」8枚組など最近出た新譜とまとめてオーダーのメールを出したら、来週には「天使の行進」も発売されるとの情報を得ました。
「日曜日」の楽曲はどれも非常に美しい音楽なので、CDが届くのが楽しみです。
以前よりアナウンスされていたシリウスの電子音楽のみの4種類のヴァージョンを収めた8枚組CDがついに発売されました。8チャンネルの電子音楽の実演(かつての日本での演奏は機材がしょぼくてだめだったようですが)を聴いた人ならこの電子音楽のまさに「宇宙的な」すばらしさをご存知でしょうが、このCDはその体験にかなり近いところまでいけるのではないかと思います。シュトックハウゼン出版から出ている「シリウス」では当時のミキシング技術の限界から電子音楽の面白さが完全には分からないんですね。
今月はあと「日曜日」のものが2種類出るはずなので、それが発売されてからまとめて注文する予定です。
ジャケットも数あるシュトックハウゼン全集のCDの中でも秀逸だと思いますけど、こちらからどうぞ。
http://www.stockhausen.org/whats_new.html
最近シュトックハウゼンの初期作品(習作作品以降、コントラプンクテ以前の作品)をよく聴いています。
クロイツシュピール、打楽器トリオ、フォルメルなどは後の作品に比べると特にリズムの面において不十分なところもあるものの、また新たな魅力を発見し楽しんでいます。クロイツシュピールの第3部分のピアノ・パートが突然メロディックになるところとか結構面白いです。プンクテは後にたびたび改訂されていることもあり、実はとても興味深い作品であるというのは「中級」以上のシュトックハウゼン・ファンなら既にご存知でしょう。「点」というタイトルながら、その点がゆらいだり、膨らんだり縮んだり、あるいはメロディックな断片と組み合わされたり、とタイトルのコンセプトからの逸脱が面白いです。
ちょっと困ってしまうのがシュピールです。
これだけはどうしても面白さが分からないのです。そして打楽器の使い方もかなりいけてないと思いますし、数少ないシュトックハウゼンの駄作ではないかと思うのですけど、どうですかね?
シュトックハウゼンの公式ページにシュトックハウゼン自身による「光」の作曲期間に関する質問の回答が掲載されています。
以下に大雑把な日本語訳を紹介します。
「(「光」の中で始めに作曲された)『暦年Jahreslauf』(日本での世界初演でのタイトルはHIKARIでした、のちに『火曜日』の第1幕として若干の改訂が行われました)東京の国立劇場の委嘱作品として1977年の9月に日本で作曲が始められ、同劇場で1977年10月31日に世界初演が行われた。
『日曜日』の『光ー絵LICHT-BILDER』は最後に作曲され2002年12月31日にキュルテンで完成された。この作品はパリのCCMIXスタジオのディレクターのGerald Papeによって委嘱され、ドイツのドナウエッシンゲン音楽祭において2004年10月17日に初演される予定である。
1週間の7つの日を音楽化した『光』は約29時間の音楽作品である。
『木曜日』240分
『土曜日』185分
『月曜日』278分
『火曜日』156分
『金曜日』290分
『水曜日』267分
『日曜日』298分」
カッコ内は私による補則、あと意訳したところもありますので英語の原文も以下のリンクよりご覧下さい。
http://www.stockhausen.org/LICHT_timing.html
「右眉毛の踊り」(「土曜日」の派生作品・クラリネットのアンサンブル+シンセ+打楽器)と「カプリコーン」(「シリウス」の派生作品・バス独唱+電子音楽)を収録した新譜が発売されました。Hoch-Zeitenの合唱部分のスコア(200ユーロと高額ですが、値段相応の巨大で複雑なスコアです)も出版されています。
詳しくはこちらをどうぞ。
Steffen Schleiermacherのダルムシュタット絡みの作曲家のピアノ曲を集めた2枚目のアルバムが発売されました。アール・ブラウン、カーゲル、プスール、ラッヘンマンの60年代の作品に加えてシュトックハウゼンの「Intervall」という作品が最後に収録されています。
(なぜかCDのトラックリストにも解説にもフランス語のIntervalleという表記がされています)
このタイトルにピンと来る方は相当のシュトックハウゼン・ヲタクだと思いますが、有名な「7つの日より」に続く直感音楽集の続編「来るべき時のために」の中の一曲です。
二人のピアニストの連弾の作品ですが、二人とも目を閉じて演奏するという、独特な作品です。「直感音楽」という名前から想像するよりもはるかに具体的な演奏指示が(テキストで)なされています。
「来るべき時のために」は一部を除いて録音が手に入らないので、早速聴いてみましたが、ちょっとううん、という感じでした。
この作品のスコアを引っ張り出して指示を読んでみるとその原因が分かりました。
基本的に演奏されるあらゆる音を不規則な時間間隔、持続時間、強度で演奏する必要があるのですが、この演奏では、特にリズムの側面において、あまりにもゆっくりとした進行が支配的なのです。つまりシュトックハウゼンの求める(そして彼が他の作品でも非常に好む)「不規則性」が欠如しているために、非常に退屈な演奏に聞えるのです。
Schleiermacherはいわゆる点描的な演奏みたいなものを意図してこのような演奏に仕立て挙げたのかもしれませんが、60年代のシュトックハウゼンの作品を考えると、そのような演奏の方向性には行く訳もないと私は考えます。
完成した「光」全曲の中で唯一初演予定のなかった「日曜日」のLICHT-BILDERがひょっとすると、今年の秋に演奏されるかもしれない、という信頼性の高い筋からの情報を入手しました。他の未初演の「日曜日の別れ」「水曜日の迎え」も今年中に初演される予定ですから、LICHT-BILDERの初演が正式に決定すれば、今年中に「光」のすべての部分が演奏されることになります。とてもエキサイティングなことですね!
こちらのページからダウンロードできるカタログ(PDFファイル)にStockhausen Verlagの新譜の情報が載っています。発売時期はよく分かりませんが、ものすごい新譜ラッシュですね。
以下にその情報を引用します。
67: ENGEL-PROZESSIONEN / ANGEL PROCESSIONS
(2nd scene of SUNDAY from LIGHT) for choir a cappella
69: DÜFTE – ZEICHEN / SCENTS – SIGNS
(4th scene of SUNDAY from LIGHT) for 7 vocalists, boy’s voice, synthesizer
70: 9 SCENTS OF THE WEEK (from SCENTS – SIGNS)
for 7 vocalists, boy’s voice, synthesizer
71: HOCH-ZEITEN / HIGH-TIMES for choir
(3 CDs: tutti choir and the 5 individual layers for study purposes)
72: HOCH-ZEITEN / HIGH-TIMES for orchestra
(3 CDs: tutti orchestra and the 5 individual layers for study purposes)
73: HOCH-ZEITEN / HIGH-TIMES(5th scene of SUNDAY from LIGHT)
for choir and orchestra
76: Electronic Music of SIRIUS in 4 versions
(8 CDs: SPRING Version, SUMMER Version, AUTUMN Version, WINTER Version)
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、Unofficial Stockhausen Weblogというサイトでシュトックハウゼン関連の様々な情報をゲットすることができます。公式にアナウンスされていない情報もありますが、かなり信頼度は高いと思います。
最近の情報で重要なものをピックアップすると「シリウス」の演奏可能な4つのヴァージョンをまとめた8枚組のCDがリリースされるらしいという情報や、5つのシンセサイザーのための「日曜日の別れ」が今年のシュトックハウゼン講習会で初演される予定など、というものが挙げられます。
URLを見るとお分かりかと思いますがこのウェブログ.MacにiBlogを使って制作しています。
シュトックハウゼン・ファミリーをはじめとして、シュトックハウゼン絡みの人はほんとマックユーザーが多いですね。
シュトックハウゼン出版のメールのアドレスが本家HPに公開されています。トップページを下の方までスクロールさせると問い合わせ用と注文用のそれぞれのメールアドレスへのリンクを見つけることが出来ます。
今までは国際電話でファックスを送る必要があったのがメールのやりとりで注文出来る訳で、より気軽にオーダーできるということで嬉しいですね。
Stockhausenの公式HPにCDの新譜がアナウンスされていました。
が、よく見てみるとマルクスの演奏でAries, In Freundschaft。。。
どこかで見たような曲目だな、と思ったら以前EMIから出ていた録音をStockhausen Verlagが買い取ったものだ、ということだそうです。
とりあえず慌てて買う必要はないですが、何か別のものを注文する時についでに購入してみようと思います。
Universal出版のHPでシュトックハウゼン生誕75年にちなんだセールを行っています(今年いっぱいまで)。いくつかの楽譜のセットを75ユーロで売ります、というものですが、一番の目玉は「カレ」の4分冊のスコアのセットを75ユーロで売っているということでしょう。先日注文していたこのセットが届きました。エアメールの料金を入れても120ユーロを切っていますので、この楽譜の巨大さと分量を考えると決して高くないと思います。
聴衆を取り囲む4つのオーケストラ&コーラスという巨大な編成のため一つのスコアに書ききることができず、それぞれのグループごとにスコアを分け4分冊となっているのですが(他のパートの要約した楽譜がそれぞれのスコアの上部についています)、全パートを俯瞰できるように4冊のスコアを縦に並べるとほとんど私の身長になってしまいしかも各パートは結構小さな音符で書かれているので現段階ではそこから音楽を把握することは不可能です。
もちろん4冊のスコアを同時にめくりながらCDを掛けながら聴くということは不可能ですし、一冊のスコアを見ながらでもかなり大変な感じです。
当時のアシスタントのカーデューに細部の作曲を手伝わせた、というのも大いにうなずけます。
スコアの表紙にこの作品のスケッチがのっていますが、実はこれが楽譜以上に興味深いかもしれません。
全体は100あまりのモメントに分かれていますが、それぞれのモメンテにおける中心的な音高、楽器の割当、リズム、音色、空間配置の特性などがひとつひとつ細かく書かれているのです。おそらくカーデューはこれらのスケッチから実際のスコアをリアライズしていったのだと思いますが、このスケッチを見ればシュトックハウゼンが決して手抜きをした訳ではなく、助手に細部を作曲させつつも自分のイメージした音響イメージを完全に具現化させることが可能であったことが理解できると思います。
とりあえず、「光」の大まかな一覧表のようなものが出来た訳ですが、CDベースでまとめてあるものは割とありますが、作品ベースでどのCDにアクセスすればいいか、という逆方向からのデータはまとまったものがないので、意外に作成に苦労しました。
これからは、すでにある該当記事へのリンクを張ったり、重要な割にあまり触れられていない作品について新しく記事を書いたりするつもりですが、ここの索引だけで、「光」の全容を大まかでも知るための道筋は多少は短くなったのではないかと思います。
私自身が、全曲の実演を体験したのは「金曜日」だけですが、改めてこうしてまとめてみると、実はかなりの場面の実演を見ている事にも気が付きました。
そういう訳で、拙サイトの私の体験記に書かれたバラバラのイメージをつなぎ直す事で「光」のイメージもより具体的に感じられるのではないでしょうか。
一週間にわたって書き続けたLICHTの記事は以下のリンクからまとめて読む事が出来ます。
http://tierkreis.web.infoseek.co.jp/weblog/archives/cat_licht.html
日曜日 Sonntag(エーファとミヒャエルの神秘の結婚の日)★
日曜日
太陽の光
神秘的な結婚 エーファ − ミヒャエル
ため息 − 歓呼 − 誠実
金色 − バセット・ホルン − トランペット
光 − 直観
意志の力 − 神の響き "HU"
第一場面 光 - 水 Lichter-Wasser(日曜日の迎え)★CD58>>S
└sop., ten., synth. /
客席内にちりばめられたオーケストラ:
2 fl., ob., e-hrn., e♭-cl., cl., b-cl., 2 fg., br-sax., 2 hrn., 2 tp.,
t-hrn., euph., 2 tb., tuba, 5 vln., 5 vla.
第二場面 天使 - 行進 Engel-Prozessionen★
└客席を移動しながら7つの言語で歌う7群の合唱とトゥッティ・コーラス
第三場面 光 - 絵 Licht-Bilder(未初演)
└for b-hrn, fl. with ring-modulation,
ten., tp. with ring-modulation, synth.
第四場面 香り - 徴 Düfte-Zeichen★
└2 sop., alt., 2 ten., bar., bas., boy soprano, synth. /
7種類の香り
・入場
・タイトル
・月曜日の香り、徴 月曜日のソロ sop.
・火曜日の香り、徴 火曜日の二重唱 ten., bas.
・水曜日の香り、徴 水曜日の三重唱 sop., ten., bar.
・木曜日の香り、徴 木曜日のソロ ten.
・金曜日の香り、徴 金曜日の二重唱 sop., bar.
・土曜日の香り、徴 土曜日のソロ bas.
・日曜日の香り、徴 日曜日の二重唱 sop., ten.
・7つの 香り - 徴 2 sop., 2 ten., bar., bas.
・騒乱
・アルトのソロ
・アルトとボーイ・ソプラノの二重唱
第五,六場面 至高 - 時(結婚)Hoch-Zeiten★>>#S
└2つの別のホールで同期して演奏される合唱とオーケストラ:
5つの異なるテンポで演奏する5群のオーケストラ:
3 fl., 3 vln., perc. / 3 ob., 3 tp., perc. / 3 cl., 3 vla., perc. /
3 hrn., 3 fg., perc. / 3 tb., 3 vlc., perc. / 2 synth.
5つの異なるテンポと言語で演奏する5群の合唱:
sop. 1(e.g. 3+3 or 4) with 1 antique cymbal /
sop. 2(e.g. 3+3 or 4) with 4 rin /
alt.(e.g. 4+4) with 4 plate bells /
ten.(e.g. 4+4) with 4 Thai gongs /
bas.(e.g. 4+4) with 4 sound plates /
1 tp.
日曜日の別れ(2004年夏に初演予定)
└5 synth.
関連作品:
・ルツィファーの牢獄
(シュトックハウゼン曰く、ルツィファーのフリーク達によってどこかの地下深くで演奏されれば良い、と。おそらく作曲の整合性を保つためだけの概念上のみの作品。)
ひとこと:
この大まかな構想を見ただけで、この作品のただごとではない雰囲気を感じられると思います。天国的な美しさを湛えたLichter-WasserのCDはとりあえず必携でしょう。
土曜日 Samstag(ルツィファーの死の日)CD34
土曜日
土星の光
死の日 − ルツィファーの日
泣く − 大胆
黒 − 氷青黒色 − バス
火 − 転換 − 考える
悟性 − 知性 − 燃える知性
土曜日の迎え(ルツィファーの迎え)
└客席のまわり4箇所から演奏されるアンサンブル:
8 hrn., 2 tublar bells (正面) /
2 a-tb., 2 t-hrn., 4 euph., 2 gamlan gongs (後方) /
6 tb. (右側) / 4 tubas (左側)
第一場面 ルツィファーの夢★S[ピアノ曲XIII★CD33,56>>#]
└pf., bas.
第二場面 カティンカの歌(ルツィファーのレクイエムとして)★#>>
└fl., 6 perc.
[フルートと電子音楽のための版CD28#]
第三場面 ルツィファーの踊り★
└bas., p-tp., picc. /
巨大な顔の形に配置された吹奏楽団:
右眉毛:6 cl., 3 b-cl., perc. / 左眉毛:6 fl., 3 b-hrn., perc. /
右目:2 ob., 2 e-hrn., 2 fg., k-fg., perc. /
左目:2 s-sax., 2 a-sax., t-sax., br-sax., bs-sax., perc. /
右頬:6 tp., 3 tb., perc. / 左頬:6 tp., 3 tb., perc.
小鼻:perc. / 上唇:8 hrn., perc. /
下顎:2 a-tb., 2 t-hn., 4 euph., 4 tubas, 2 perc.
・左眉毛の踊り
・右眉毛の踊り★#
・左目の踊り
・右目の踊り
・左頬の踊り
・右頬の踊り
・小鼻の踊り★>>#
・上唇の踊り★CD35,43>>#
・涙の踊り
・舌先の踊り★CD28,57#
・リボンの踊り
・下顎の踊りCD44
・トゥッティ
〜オーケストラのストライキによる演奏中断
第四場面 ルツィファーの別れ★
└male choir(13 ten., 13 bas.), organ, 7 tb.
関連作品:
夢のフォーミュラ★CD27
ひとこと:
「ルツィファーの踊り」のように妙に高揚感のある場面もありますが、それ以外の部分では非常に暗いトーンが支配的なので、「光」をこれから聴いてみようという方が一枚目に聴くものとしてはあまりお勧めできません。実はどの作品も素晴らしいですけど。。。
金曜日 Freitag(ルツィファーのエーファへの誘惑の日)★CD50#
金曜日
金星の光
誘惑 エーファ − ルツィファー
ヨーデル − 安定
オレンジ色 − バセット・ホルン − トロンボーン
炎 − 感じる − 触れる
知識 − 理性
金曜日の迎え
└電子音楽
金曜日の誘惑★>>#S
(2幕の、電子音楽を伴う12のサウンド・シーンと10のリアル・シーン)注)
└sop., bar., bas., fl., b-hrn. / synth. /
children's orch., children's choir, 12 choir singers /
electronic music with sound scenes (24-track tape)
<第1幕>
・*サウンド・シーン1★
・*サウンド・シーン2★
・求婚★CD65
・*サウンド・シーン3★
・子供のオーケストラ★CD65
・子供の合唱★CD65
・子供のトゥッティ★CD65
・*サウンド・シーン4★
・*サウンド・シーン5★
・*サウンド・シーン6★
・同意★CD65
・*サウンド・シーン7★
<第2幕>
・堕落★CD65
・*サウンド・シーン8★
・*サウンド・シーン9★
・子供の戦争★CD65[ピアノ曲XVII★CD57>>#, コメット>>#]
・*サウンド・シーン10★
・*サウンド・シーン11★
・後悔★CD65
・*サウンド・シーン12★
・ELUFA★CD65#
・合唱の螺旋★CD65
金曜日の別れ
└電子音楽
関連作品:
・サウンドシーンを伴う「金曜日」の電子音楽CD49
・宇宙空間(=「金曜日の迎え」+「金曜日の別れ」)
・「金曜日」のカップルたち★CD48
・ピアノ曲XVI★CD57>>#
・2組のカップルCD64
・「コメット」の電子音楽★CD64
・フライアCD32,57>>#
注)サウンド・シーンは男性と女性の声をヴォコーダーなどで電子的に変調したものを素材にした12チャンネルの電子音楽による部分、リアル・シーンは通常のオペラのようにステージ上で歌手、楽器奏者によって演じられる場面。
木曜日 Donnerstag(ミヒャエルの学習の日)CD30
木曜日
木星の光
学習の日 − ミヒャエルの日
話す − 努力(努力なしには報酬もなし、なんてこった…)
青 − テノール
エーテル − 聞く
愛 − 叡知 ( MICHA − Tromba )
木曜日の迎え(ミヒャエルの迎え)★
└3 tp., 2 hrn., 2 tb., tuba, pf., perc.
第一幕 ミヒャエルの若き日
└sop., ten., bas. / 3 actors / tp., tb., b-hrn / pf. / tape
・幼年時代
・MONDEVA(月のエーファ)CD28>>#
・試験★CD43>>#[ピアノ曲XII CD56#]
第二幕 ミヒャエルの地球一周旅行★ [ 小編成版 ECM1406 437 188-2 ]
└tp., b-hrn., 2 cl. / orch. of 28 musicians
・登場[登場とフォーミュラCD43>>#]
・告別(ミヒャエルのフォーミュラ)
・出発
・第一留:ドイツ
・第二留:ニューヨーク
・第三留:日本
・第四留:バリ
・第五留:インド
・第六留:中央アフリカ 逆回転
・第七留:エルサレム
・停止 EMI7243 5 56645 2 5
・使節[使節と昇天★CD32>>#]
・嘲笑
・磔刑
・昇天
第三幕 ミヒャエルの帰郷
└sop., ten., bas. / 3 actors / tp., tb., b-hrn / 2 s-sax.
orchestra of 61 musicians, 5 choir groups, /
elec. organ or synth., tapes
・祝祭
・ヴィジョン★>>#
木曜日の別れ(ミヒャエルの別れ)>>#
└5 tp.
第一幕の関連作品
・見えない合唱(8チャンネルの電子音楽)★CD31>>#S
・TANZE LUZEVA CD28
・BIJOU★CD28
第三幕の関連作品
・ドラゴンの決闘★CD43
ひとこと:
1980〜82年に録音された「木曜日」全曲版のCDは、この作品の複雑で繊細な音響を捉えるのに十分なクオリティで録音、ミックスされているとは言えない(当時の録音技術の限界もあるとは思います)と感じます。
第二幕に関してはECMの小編成のヴァージョンではなく、全曲版の方をお勧めしますが、第一幕、第三幕に関しては、後に優秀な音質で録音された関連作品に十分親しんだ後に全曲版を体験した方がこの作品の魅力がより味わえると思います。
水曜日 Mittwoch
(エーファ、ミヒャエル、ルツィファーの協調の日 )★
水曜日
水星の光
平和 − 歌う
友情(そのように神様は願っている!)
黄色 − ソプラノ − テノール − バス
空気 − 見る
調和 − 芸術
水曜日の迎え★CD66>>
└電子音楽
第一場面 世界議会★CD51>>S
└choir a cappella
第二場面 オーケストラ・ファイナリスト★CD52>>
└13人のオーケストラ奏者 / Electronic and Concrete Music
・オーボエ>>#
・チェロ
・クラリネット
・ファゴット
・ヴァイオリン
・チューバ
・フルートCD57
・トロンボーン
・ヴィオラ
・トランペット
・コントラバス
・ホルン
・トゥッティ
第三場面 ヘリコプター弦楽四重奏曲★CD53S
└string quartet, 4 helicopters
第四場面 MICHAELION★>>S
└choir, bas. with short-wave receiver /
fl., b-hrn., tp., tb. /
synth., tape
・議長
・LUZIKAMEL
・KAKABEL
・SHOE-SHINE SERENADE
・ラクダの踊り
・闘牛
・交換手
・BASSETU-TRIO(メリーゴーランド)★CD55
・人間たちよ、聞きなさい(宇宙六重唱)
水曜日の別れ★CD55>>#
└Electronic and Concrete Music
第四場面の関連作品:
・THINKI CD57
・ロータリー木管五重奏曲
その他の関連作品:
・LICHT-RUF CD64S
・EUROPA-GRUSS★CD64>>#S
・LITANEI 97★CD61S
・TRUMPETENT(トランペッ「テント」)
ひとこと:
一般の人たちの間でも有名な「ヘリコプター弦楽四重奏曲」はとても素晴らしい作品ですが、「光」の諸作品に親しみ、ミヒャエル、エーファ、ルツィファーのそれぞれのフォーミュラを口ずさめる程度まで習熟していないと、おそらくこの作品の素晴らしさを全く理解できないと思われます。
つまり「光」上級者向けの作品であり、「光」初心者には全くお勧めできません。
これらのフォーミュラを学習するためにBASSETSU-TRIO(CD55)の録音がとても役に立ちます。このCDのトラック13以降においてこれらの3つのフォーミュラがそれぞれの楽器によって(音高やテンポの移調はあるものの)ほとんど原形に近い形で聞く事が出来るからです。何度かこのフォーミュラが繰り返されるのですが、トラック15では本来の楽器によりそれぞれのフォーミュラが演奏されます。
ちなみにトラック12ではフォーミュラのさらに核となるセリーの形で演奏されています。
火曜日 Dienstag(ルツィファーとミヒャエルの戦いの日)★CD40
火曜日
火星の光
戦いの日 ルツィファー − ミヒャエル
叫ぶ − 勇敢さ
赤 − トランペット − トロンボーン
大地 − 味わう
理想 − 献身
火曜日の迎え★
└solo sop. / 9 tp., 9 tb., 2 synth. / choir
・歓迎★
・平和の迎え★
第一幕 暦年★CD29S>>
└ten., bas. / 4 synth., 3 picc., 3 s-sax., 1 guitar, 3 perc.
第二幕 侵略 ー 「爆発」そして「別れ」★S
└solo sop., ten., bs. / 3 tp.(1番奏者はf-hrn.持ち替え), 3 tb., 2 synth., 2 perc., /
6 tutti tp. and 6 tutti tb. (ad lib.) / choir. / 8-track tape
・第一防空戦★
・第一侵略★
・第二防空戦★
・第二侵略★
・ピエタ★CD43, EMI7243 5 56645 2 5>#
・第三侵略(爆発)★
・彼の世★
・SYNTH-FOU(シンセ・マニア)★[ピアノ曲XV CD42>>#]
・別れ★
第一幕関連作品:
・ピッコロ CD28
・サクソフォーン #
第二幕関連作品:
・オクトフォニー★CD41>>#
・SIGNALE CD44>>#
その他の関連作品:
・SUKAT★CD32>>#
ひとこと:
特に第二幕は音響がど派手でカッコいいので「光」初心者の方に強くお薦め致します。
都内の大型レコード店ではStockhausen-Verlag(シュトックハウゼン出版社)のCDが一枚4〜5千円という法外な値段で売られていて、聞きたいけど高いなぁ、と二の足を踏んでいる方がまだまだ多いですが、(最近比較的知られるようになってきましたが)Stockhausen-Verlag(以下SV)へ直接オーダーすると一枚当たり2000円前後という通常のCDの価格で買う事が出来るのです。
どのように注文すればよいか、という質問をよく受けますので、以下にその方法を書きます。
基本情報:
Stockhausen-Verlag
住所:
Kettenberg 15
51515 Kürten, Germany
Fax:
+49-(0)2268-1813
まず、本家シュトックハウゼンHPにのっているカタログなどでCDの番号や価格を確認します。(紙に印刷されているカタログももちろん入手する事が出来ます)
商品の送付方法としては船便と航空便の2種類があります。
航空便なら送金から2週間程で商品が届きますが、船便だと2ヶ月ほどかかります。
船便だと送料サービスですが、航空便だとエアメール料金が別途必要です。
この料金はカタログに記載されていませんし、CDの種類によって重さや大きさも
様々ですから、事前に(英語かドイツ語で)ファックスを送って料金を照会する必要があります。
もちろん注文する予定のCDのリストを書き忘れないようにしてください。
シュトックハウゼン一家が演奏旅行などで多忙でなければ、2,3日で返事が
戻ってきます。
(当然この作業は船便で注文する場合は不要です)
HPのカタログの下の注文用紙を印刷するか、似たような書式で、(英語かドイツ語で)注文する商品のリストを書きます。
もちろん、名前、住所などの基本的な情報を書き忘れないようにして下さい。
あと、何のCDが何枚欲しいのか、ということがはっきり分かるように記入する事は当然重要です。
逆にこのあたりの必須な情報が分かるように書けば細かい書式などは気にしなくても大丈夫です。
航空便で注文する場合は、もちろん航空運賃も上乗せして、航空便で注文する旨注記しておいて下さい。
注文用紙はエアメールなどで郵便局から送って下さい。
料金の支払いですが、SVは田舎の零細企業のためクレジットカードによる支払いができませんので、国際為替で送金する必要があります。
国際為替の取り扱いをしている郵便局(本局でなくても取り扱っている所は多いです)へ行き、郵便局に用意されている書類に記入をし、支払いをします。
国際為替には口座宛と住所宛の2種類がありますが、SVへは住所宛で送る事になります。
それから、免許証、保険証などの身分証明書もお忘れなく。
料金はユーロ料金に相当する金額を日本円で払いますので、事前に両替しなくても大丈夫です。
注文用紙と料金を送ったあとは、商品が届くまで待つだけです。
スコアも全く同じ方法で注文できますし、もちろんスコアとCDを一緒に注文する事も出来ます。
特に航空便で注文する場合はある程度まとめて注文する方が割安感がでます。
文章にすると長ったらしくなりますが、一度やり方を覚えればそれほど難しい事ではありませんので是非ともチャレンジして下さい。
尚、国際電話の掛け方が分からない、海外へのファックスやエアメールはどうやって送るのか、国際為替の用紙はどうやって記入するのか、などの疑問をお持ちの方は(ここまで丁寧に書き始めるときりがないので)どうぞ他のサイト等でお調べ下さい。
また、万が一何らかのトラブルが起きても私は責任を負えませんので予めご了承下さい。もちろん、Stockhausen-Verlagは零細企業ですが、様々な事に対して非常に誠実に対応してくれる会社ですので、なんらかの問題が生じた場合は、そちらへ問い合わせればきっと解決すると思います。
追記(2004.7.)
現在ではシュトックハウゼン出版へのメールによる問い合わせ、連絡等も可能になっています。
日本からだと国際電話の料金が浮く訳なのでこちらの方がお得ですね。
問い合わせは
stockhausen-verlag@stockhausen.org
注文は
orders@stockhausen.org
までどうぞ。
月曜日 Montag(エーファの誕生の日) CD36
月曜日
月の光(一週間は熱く始まる…)
エーファの日 − 子供たちの誕生
ざわめく − 勇気
緑色 銀緑色 − ソプラノ
水 − 匂いをかぐ
儀式 − 魔法
月曜日の迎え(エーファの迎え)>>★
└バセットホルンの多重録音を中心とした電子音楽
第一幕 エーファの最初の出産
└3 sop., 3 ten., 1 bas.,1 actor /
choir(tape), children's choir(7 sop., 7 alt.) /
modern orchestra (注
・懐妊
・Heinzelmänchen
・誕生のアリア CD38
・こども達の大騒ぎ
・ルツィファーの怒り CD63>>#
・大いなる嘆き
第二幕 エーファの二度目の出産★
└7 solo boy singers / b-hrn, 3 basset-teases /
pf. / choir(tape), girls' choir /
modern orchestra
・少女の行進 ★CD38
・ピアノ曲による受胎★CD38 [ピアノ曲XIV CD56>>#]
・再誕生
・エーファの歌★ [WOCHENKREIS ★CD32, 7つの曜日の歌 ★CD63 >>#S]
第三幕 エーファの魔法★
└b-hrn., a-fl. and picc. /
choir, childeren's choir / modern orchestra
・遣い★ [AVE ★CD24 >>#]
・Der Kinderfänger(ハーメルンの笛吹き)★CD63 >>#S
・誘拐 CD57,63 >>#S
月曜日の別れ(エーファの別れ)
└ピッコロや声などを素材にした電子音楽
第一幕関連作品:
・誕生の祭 CD37
第三幕関連作品:
・SUSANI CD32
・SUSANIs ECHO CD28#
・エーファの鏡像 CD32
その他の関連作品:
・Xi ★CD28,32 >>#
・YPSILON CD28,32>>#
・FLAUTINA CD28
注:モダン・オーケストラ=複数のシンセサイザーとサンプラー;様々な打楽器;事前に録音された器楽、声楽のアンサンブルとサウンド・シーン(ありとあらゆる身近な音響のモンタージュ)のマルチ・トラック・テープ。
シュトックハウゼンの「LICHT - 光」のタイトルは日本の新幹線「ひかり号」にちなんで付けられた、という噂話を聞いたので、シュトックハウゼンに直接この話の真偽を聞いてみました。
答えは「No.」でしたが、面白い話を聞く事が出来ました。
シュトックハウゼンは後に「火曜日」の第一幕になる「Jahreslauf 暦年」を東京で初演するために来日していました。ちなみにこの時にすでにシュトックハウゼンはLICHTのスケッチを書いていて、そこにもLICHTというタイトルを記入していました。
この来日時にシュトックハウゼンは(駅かどこかで)、「ひかり号」を見かけて、日本人の公演スタッフに「あの電車は何という名前ですか?」と聞きました。スタッフが「ひかり」ですと答えると、シュトックハウゼンは「『ひかり』とはドイツ語でどういう意味ですか?」と聞きスタッフは「LICHTという意味です。」と答えました。
シュトックハウゼンはこの偶然をきっかけに、Jahreslaufの日本語タイトルを「ひかり」と命名して日本での初演に臨んだという事です。
シュトックハウゼンが20年以上にわたって作曲し続け遂に完成された大作オペラ「Licht - 光」は7つのオペラから構成されています。
演奏順に並べると「月曜日」「火曜日」「水曜日」「木曜日」「金曜日」「土曜日」「日曜日」となります。
当初の予定ではちょうど一週間掛けてこの7つのオペラを連続演奏する予定だったのでしょうけど、「日曜日」の最終場面のHoch-Zeitenのスコアには、「日曜日」全曲を演奏する場合、5つの場面を3日間に分けて演奏するのが理想的である、と書かれています。その他のオペラもヘリコプターを4台用意するとか(笑)ステージのセッティングにとてつもない労力がかかるので、7つの別のプロダクションがそれぞれのオペラにかかりっきりにならない限り、この7つのオペラを全曲上演するのは(決して不可能ではないですが)極めて困難かと思います。
それは、ともかく。。。
「光」は3人の主要なキャラクターが中心となっています。
ミヒャエル、ルツィファー、エーファの3人です。
それぞれのオペラでこの3人のどのキャラクターが中心になるか、というのが異なっていますが、
それを以下に記します。
(ミヒャエル=M, ルツィファー=L, エーファ=E)
月曜日 E
火曜日 M L
水曜日 M L E
木曜日 M
金曜日 L E
土曜日 L
日曜日 M E
つまり1つのキャラクター、2つのキャラクター、3つのキャラクターの全ての組み合わせがなされていて、この辺にも「セリー作曲家シュトックハウゼン」らしさがかいま見えます。
この7つのオペラの作曲順も非常に論理的です。
| 木曜日 | M | 1978~80 |
| 土曜日 | L | 1981~83 |
| 月曜日 | E | 1984~88 |
| 火曜日 | M L | 1977/1987~91 |
| 金曜日 | L E | 1991~94 |
| 水曜日 | M L E | 1992~93/1995~97 |
| 日曜日 | M E | 1998~2003? |
全体を総括する意味もある日曜日が最後になっている所だけは例外ですが、それ以外は少ないキャラクターの組み合わせから全てのキャラクターの組み合わせに向かって作曲されている事が分かります。
全体を演奏すると20時間以上掛かる超大作ですが、この大作の構成はたった一分の短い3声のメロディー(スーパー・フォーミュラと言います)によって演奏時間、中心音などが厳密に規定されています。
シュトックハウゼンもついに演奏に7日間を要する大作オペラ「光」全曲を完成したわけですが、以前よりは良くなっているにしても、いまだにこの大作の概要すら知らない人が多いと思います。
というわけで、明日の月曜日より日曜日まで毎日、それぞれのオペラの大まかな概要と各場面のリストを作り、派生作品なども含め、所収されているCD番号、拙サイトに何らかの記述があるかどうか(将来的にはきちんとリンクも張る予定です)、など当weblogに書いていきたいと思います。
LICHT専用のカテゴリーも作りましたので、そこをみれば「光」についての情報のありかが分かり、「光」理解のためのちょっとした助けになれば、と考えています。
もちろん、「光」の各場面の詳細な解説を書く時間はありませんが、例えば全曲CDの発売されていない「水曜日」などはどのCDを聞けばこのオペラの概要が分かるか、というような情報を提供できれば、と思います。
ちなみにLICHT関連のアーカイブはこちらです。
シュトックハウゼンというとすぐ電子音楽の巨匠というイメージを持つ人が多いし、実際そうなのですが、「光」全曲が完成した今、「光」全体(「日曜日」のLicht-Bilderだけは初演されていないのでこの曲を除いてですが)を改めて見渡してみると、電子音楽よりはむしろ合唱の部分にハイライトがある気がします。
「月曜日」は混声合唱、児童合唱ともに大活躍ですし、「火曜日」は合唱が一番始めと一番終わりで登場し非常にパワフルなアンサンブルを聴かせます。「水曜日」には「世界議会」というアカペラ合唱曲の大傑作がありますし、最終場面の「ミヒャエリオン」でも極めて複雑な合唱のパートがあります。「木曜日」では舞台上で演奏される音楽と同時に流される合唱の8チャンネルの録音「見えない合唱」が隠れた大傑作です。「金曜日」では児童合唱が大活躍しますし、最終場面のソプラノとバスのみの風変わりなアンサンブルによるChoir-Spiralの変態的なまでの異様な美しさとエロティシズムにはしびれるほかありません。「土曜日」の最終場面では男声合唱がトロンボーンやオルガンと共に荘重なハーモニーを聞かせますし、「日曜日」ではEngel-ProzessionenとHoch-Zeitenというそれぞれ違ったアプローチで合唱作曲の極限を極め尽くした、複雑でかつ美しい作品を含んでいます。
考えてみれば、古い曲にも「モメンテ」や「カレ」などの合唱を使った傑作がありますし、電子音楽の古典的名作とされている「少年の歌」もテープ上で極めて複雑な児童合唱の曲を再現した、といっても良い作りになっています。
人間の声にも電子音と同じように多彩な響きを作り出す可能性を持っている訳で、その可能性を何倍にも膨らませた合唱というメディアにシュトックハウゼンが興味を持つのも当然とも言えます。
シュトックハウゼン出版のCDでもっとも売れているのは「少年の歌」などを収録した第3巻だそうですが、これらの合唱曲を始め、様々な声楽、器楽作品にもこれほどの関心が集まればいいのにな、と思います。
これらの作品の美しさを知れば、シュトックハウゼンの電子音楽の巨匠としての側面ばかりが注目されるということが、どれだけ勿体ない事か理解できると思います。
本日未明、キュルテンより我が家へファックスが届きました。
シュトックハウゼン本人からのファックスです。
いやあ、ガキのように興奮してしまいますなぁ。
どういう内容かはその内お知らせ致します。
何人かの知人から聞いた情報によると、8月の終わりにザルツブルク音楽祭で初演されたDüfte-Zeichenはとても素晴らしかったらしいです。7人の歌手とボーイソプラノとシンセという編成だったと思いますが、いろいろな歌手の組み合わせでそれぞれの曜日について歌っていくらしいです。
あとはLicht-Bilder(すでに作曲済みだそうです)の初演が決まれば「日曜日」全曲、というか「光」全曲が一応演奏されたことになるのですが、ザルツブルクで「日曜日」全曲での演奏をするとか、しないとか、という話も上がっているらしいです。話が決まったとしても数年先でしょうけど、無理してでも押しかけていきそうな感じです。
そう、20年以上の歳月をかけ遂に「光」は完成したのです!