--- 現代音楽 ---

July 10, 2008

吉松隆「トラウマ氏の一日」

以前本ブログでも話題になっていた吉松隆氏のモノドラマ「トラウマ氏の一日」の音源が作曲家本人のホームページにアップされている事を知りました。
QuickTime形式でアップされていて、無料で全曲視聴する事が可能です。

トラウマ氏の一日

このページの下の方には楽譜の一部の画像もあります。

なんといっても丹羽勝海氏のインパクトのある歌唱(というかほとんど台詞)が面白いですし、同業者として参考になる面も多々あります。

他にも、丹羽氏歌唱による同様の作品群を同じページからたっぷり楽しめる事ができます。

吉松隆・小市民劇場

まっちゃん@シリウス : 10:20 PM | コメント (4)

May 27, 2008

交響曲第200番!!!

指揮者としても知られるセーゲルスタムがついに交響曲第200番を作曲しました(爆)。

セーゲルスタムの作品自体の評価についてはノー・コメントということにしておきます(汗

21世紀という時代において「交響曲」という古典的なスタイルをわざわざ追求すること自体、かなり保守的といえる訳ですが(ブーレーズ、シュトックハウゼン、ケージなどが作曲する交響曲など想像もつきません)、ここまで極端に濫作されると、違う意味で尊敬してしまいます。

彼の「無駄に豪華な」作品はこちらから見る事ができます。
http://tinyurl.com/ntchf

2000年にすでに交響曲第34番を書いているので、10年かからない内に交響曲を150曲以上、つまり1ヶ月に1曲以上のペースで交響曲を書いている計算になります(汗
楽器編成をみるとだいたい2管編成なので、演奏しやすいように現実的なところも考えているのかと思いますが、それでもこの超人的なペースには唖然とします。

この人は指揮者としてもかなり多忙なはずですし、映画音楽のサントラなどを本職にしている人も真っ青なのではないでしょうか。

まっちゃん@シリウス : 11:37 PM | コメント (14)

May 24, 2008

カーゲル「バベルの塔」

本日PETERSより楽譜が届きました。
あまりに遅い入荷だったので中身を空けるまで何を注文したのかすら完全に忘れていましたが、カーゲルの「バベルの塔 Der Turm zu Babel」(2002年作曲)という作品の楽譜でした。

18の無伴奏独唱のメロディーからなりますが、歌詞はすべてのメロディーで同一で「創世記」のバベルの塔の下りから取られています。人間がバベルの塔を建てて天国まで到達しようとしているので当時ただ一つしかなかった言葉を多くの種類にバラバラにし意思疎通できないようにしよう、と神が言う有名な部分です。

カーゲルは、この言葉の18ヶ国語の翻訳から18個のメロディーを付けるというアイデアで、この聖書の物語をうまく解釈しているのですが、それぞれのメロディーはそれぞれ異なる7音からなる人工的な旋法で作られています。メロディーの性格はそれぞれの言葉の響きや国のイメージで色々異なっているのですが、このセンスにカーゲルらしウィットが込められていて面白いです。
似非アフリカ民謡風のスワヒリ語ヴァージョン、こぶし風の装飾音満載のトルコ語ヴァージョン、バルトーク的な複合拍子によるリズミックなハンガリー語ヴァージョンなどが特にケッサクです。

細かくメロディーが揺れ動く日本語ヴァージョンは、日本人から見ていったいどこが日本風なのか理解不可能で、その勘違い具合がなかなか味わい深いのですが、この奇妙な似非オリエンタリズムに基づいたメロディーへの日本語の当てはめ方がこれまた実に奇妙です(例:「民は民は民は民は一つで一つで一つで一つで民は一つでみなみなみなみな同じみな同じ同じ同じ言葉で…」)。

ちなみにカーゲルが取り上げた言語は、デンマーク語、ドイツ語、英語、エスペラント語、フランス語、ギリシア語、ヘブライ語、イタリア語、日本語、ラテン語、オランダ語、ポーランド語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、スワヒリ語、トルコ語、ハンガリー語です。

演奏指示には、この18個のメロディーを全て演奏する必要はなく3〜6曲を任意に選び自由な順序で演奏する事、という記述があります。

最終的には全曲制覇を目指したいですが、折をみて少しずつレパートリーを増やしていければ、と考えています。
さすがに来る6/2の「双子座三重奏団&エクスドット」ツインライヴでは無理ですが、9月に予定されている某企画で取り上げられるのでは、と目論んでいます。

まっちゃん@シリウス : 12:06 PM | コメント (11)

May 12, 2008

本日の講義内容

先日の日記でもお知らせした東京音大でのレクチャーのおおまかな講義予定内容について、ご参考まで以下にお知らせしておきます。
適宜、関連楽曲の抜粋の演奏も行います。

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■現代声楽曲における声とことば
  講師:太田真紀、松平敬

・19世紀までの声楽曲における音楽とことばの関係

・20世紀の声楽曲における多様化した音楽とことばの関係
   20世紀前半
     Sprechstimme
     音声詩
   20世紀後半
     言語の音素への解体と再構築
     非言語の音声コミュニケーションの音楽化
     言語コミュニケーションの異化
     シンセサイザーとしての声

・声と不確定性

・声と演劇性

まっちゃん@シリウス : 12:14 AM | コメント (11)

May 05, 2008

ツィマーマン「軍人たち」@新国立劇場

とりわけ大好きな作品という訳ではありませんが、日本国内では当分演奏を期待できない難曲ですし、これを日本のプロダクションでどれだけ仕上げられるかということにも興味があったので、聴きに行きました。
以下、メモ代わりに簡単に感想をまとめておきます。

稽古が非常に難航しているという噂話もちらほら聞こえてきたので、ともかく生演奏を体験しておこう、という程度の極めて低い期待値で会場に向かいましたが、結論から言えば予想をはるかに上回る仕上がりで、生演奏を聴く事によってこの作品が少しだけ好きになりました。

歌い手にとってはとにかく音が極端に高く極端な跳躍も多く、聴いていて可哀想になるくらいですが、かなり頑張って楽譜に書かれている事を音にしようとする努力がよく分かりました。コレペティなど音楽スタッフの苦労も忍ばれます。
この殺人的な声の扱いがこの曲を好きになれない大きな理由のひとつですが、特にテノールの扱いは歌い手として怒りすら覚えるほどの極端な高音域を要求します。ハイCを越える所はファルセットで逃げたり、健闘むなしくひっくり返ったり、一声聴いて疲労で喉がボロボロなのが分かったりという有様でしたが、これは作曲家に責任があります。その無茶なスコアをよく頑張って演奏した、と努力を讚えたいと思います。

コンタルスキーのCDの演奏で聴くと、金管の絶叫などがうるさくオーケストレーションに問題があるのかと思っていましたが、今日の演奏ではそうした印象はありませんでした。演奏に原因があったのでしょう(スコアを見た事がないので推察にすぎませんが)。
オーケストラを担当した東フィルも忙しいスケジュールの中、よくここまでまとめたと思いますが、恐る恐る弾いているような印象を受けた所もありますし、リズムがもっと軽やかに処理できればよかったのにな、と思った場面もしばしば。
大量の打楽器群は舞台裏の演奏を客席に向かったスピーカーで再生する方法をとっていましたが、ピットで演奏している楽器との音質的なかみ合わせが今一つでした。
スピーカーから出る楽器の音ばかりがクリアーに聴こえすぎたのと(音量ももう少し抑えてもよかったでしょう)、スピーカーの位置の関係上これらの楽器の音だけがピットの楽器よりも上方に聞こえたのが不自然でした(それともそういうスコアの指示なのでしょうか?)。
ティンパニのロールの音はマイクのセッティングのせいか、音質もかなり不自然な感じがしましたが、左右に分かれた複数のティンパニが対話する効果はきれいに出ていました。

シュトックハウゼン流に、ピット内の楽器も含めた全楽器の音をミキサーにまとめる方法(予算はかかります)をとった方が音像は自然に聴こえたかもしれません。

ジャズのバンダは演奏もいまひとつで、エレベの音が全体のバランスを考えると少し大き過ぎでした。
そもそも、このバンダの演奏やバランスにそれほど思い入れがないようにも思えました。

演出は黒っぽい箱形のステージで、赤、黄色など強烈な原色の衣装が鮮烈な印象を与え、その色使いで様々な人間関係を象徴するアイデアで楽しめましたが、もともと前方に軽く傾斜のあるステージ自体が、最後には大きく右に傾く大掛かりな仕掛がありました。
この斜め舞台の上方で歌っているのをみると転落しないか冷や冷やしましたが(わざと滑るような演技がさらに不安を増長させます)、無事に怪我人もなく終了。

演出は基本的に面白いと思いましたが、場面ごとに細かく幕が下りて、いちいち転換に時間がかかるのが興ざめでした。不可抗力ですが、演奏がストップしている間の転換はノイズが目立ってしまうので、それもマイナス・ポイントでした。

最後のマルチ・チャンネルによる立体的なミュージック・コンクレートの効果は美しかったです。この幕切れの音響の美しさ(そして演出との関係)には軽く感動。このこだわりで前述の楽器の音響もケアしてもらえればよりよかったのですが。

生演奏を体験して、チラシなどでの煽り文句とは裏腹に、この作品は非常に古典的な作品だな、との印象を受けました。
大編成のオケやジャズ・コンボ、ミュージック・コンクレートなどお膳立て自体が極めて困難で、演奏至難ではありますが、それが作品の新しさとは直接結びつかない、ということです。
ツィマーマンのトレードマークともいえるバッハの引用、ジャズなど様々なスタイルの音楽のコラージュは、ベルクのオペラで試みられていた事の延長に過ぎませんし、ミュージック・コンクレートの使用も少しゴージャスなSEという程度の扱いにしかすぎません(ついでに言うと、ツィマーマンの出発点であった新古典主義も、異なったスタイルの折衷、融合ですから、そういう意味で一貫性があったともいえます)。

つまり20世紀後半に作曲されてはいるものの、戦後の前衛音楽の代表的オペラというよりは、ベルクなどの戦前のオペラの成果を戦後の様式で拡大した野心作、と解釈できると思いますし、19世紀までのオペラのスタイルを結局は引きずっているということになります。

だからこの作品が古臭い、と非難したいのではなく、伝統的なオペラ制作の延長線上(長い延長線ではありますが)で上演できる作品なのだからもっと演奏されてもよいのでは、と思ったという事です。

何はともあれ、関係者の皆さまお疲れさまでした。

休憩中には某偉大なコントラバス奏者にお会いしました。新しい勤務先の名刺を頂きましたが、素晴らしいですね。

まっちゃん@シリウス : 07:58 PM | コメント (11)

January 30, 2008

いろいろ到着

数日前、シュトックハウゼン出版から何やら小包が到着しました。
最近何か注文した記憶はないのに何だろうと開けてみると、昨年のシュトックハウゼン講習会で私が演奏した「シュピラール」の映像が収められたヴィデオ・テープでした。今まで出演した時にはこのような物はもらったことがなかったのですが、この演奏はシュトックハウゼンとの最後の共演になる訳で、記念になるだろうと気を効かせて送ってくれたのだと思います。

しかし、困ったことにPAL方式のVHSで送られてきたため、通常の日本のヴィデオ・デッキでは再生できず(そもそも我が家にはVHSがありません)、業者に頼んでDVD-Rに移し替えてもらいました。本当に撮ったままの状態のコピーだったので、自分でiMovieを使って最低限の編集を施し、簡単な字幕をつけ形を整えました。
シュトックハウゼンが声とラジオの音質、音量をどのようにバランスをとり整えたのか、リアルタイムでは知りえなかったので、ヴィデオで客観的に見られたのは良かったです。

di-arezzoから以前頼んでおいたブソッティの譜面もいくつか届きました。
今月上旬の演奏会に関わっていた関係で、彼の図形楽譜のあり方に興味を持ち、注文してみたのです。
楽譜というよりはほとんど画集のAutotono(1977)の大竹伸朗的なぶっ飛び具合も良いのですが(申し訳程度に音符や楽器指定があるのもツボ)、一緒に注文したPieces de Chair II(1958/60にはさらに度肝を抜かされました(先日同曲の演奏でピアノを弾いていた新垣氏の演奏の意味も納得しました)。

55ページからなるこの作品、楽器編成は「ピアノ、バリトン、女声ソロ、いくつかの楽器のための」とあるのに、いきなり楽譜の冒頭が「デヴィッド・テュードアのためのピアノ小品」の歌いながら超絶技巧のパッセージを弾くピアノのための楽譜で、通常の五線譜なのにすでに図形楽譜的なヴィジュアル(一部謎の図形的な記譜あり)、めくっていくたびに楽器編成も一見しただけではよく分からない図形楽譜と通常の(しかしかなり異形の)五線譜が延々と続き、このヴィジュアル的なインパクトはケージの「ピアノとオーケストラのためのコンサート」のピアノ独奏パートと双璧をなすと言えるでしょう。もっとも重要な違いは、細かく演奏法の指定のあるケージの図形楽譜に対して、ブソッティのそれにはそうした指定が一切ないということですが。。。(この作品の楽譜の中にブソッティの図形楽譜を解読する鍵となる実例を発見したことだけは報告しておきましょう)

この作品は、様々なアイデアによる小品が集まっているのですが、ピアノ・ソロ、バリトン+ピアノ、などの編成はともかく作品によっては多数の管楽器や打楽器も含む室内オケのような作品や、オンド・マルトノを含むものまで混在していて全曲を演奏しようとすると、練習以前の下準備にかなりの苦労が予想されます。

本日、京都で直観音楽アンサンブルという団体を作りシュトックハウゼンの直観音楽演奏の研鑽に励んでいる中路正恒さんより、「7つの日より」の「正しい持続時間」の録音が郵送されてきました。
短いテキストから即興演奏をしなくてはいけないこの作品は、安易な取り組みによっていとも簡単に駄演になりかねない危険も孕んでいますが、このCD-Rに収められていた演奏は、真摯な研鑽が伺える素晴らしい仕上がりで非常に驚きました。60年代後半の「シュトックハウゼン・バンド」による演奏の肌触りとの共通点も感じると共に、日本人らしい独特な時間感覚、音色感覚にこの団体の個性を感じました。この演奏を聴いたとしたら、シュトックハウゼン本人も喜んだに違いありません。今後もこうした活動を続け、様々な場所で演奏の機会を持つことを期待します。

まっちゃん@シリウス : 04:00 PM | コメント (3) | トラックバック (1)

January 17, 2008

シルヴァーノ・ブソッティ〜ポートレートコンサート

本日はイタリア文化会館へ「シルヴァーノ・ブソッティ〜ポートレートコンサート」を聴きに行きました。
私も初日に演奏に参加した、ブソッティ来日企画の最後のコンサートになります。

図形楽譜による作品を中心としたプログラムでしたが、ケージやシュトックハウゼンの綿密に考え抜かれた図形楽譜による作品と比べて、著しく自由度の高い、つまり言い換えれば、どうとでも演奏できるかなり「ゆるい」縛りになっているので、演奏者の解釈によって作品の印象が大きく左右されることになります。

イタリア人のアンサンブルによる演奏では、1台のピアノの様々な部位を3人の演奏者で様々に「愛撫」されるかのような「Per Tre」をはじめとして、入念に準備された几帳面なリアリゼーションが印象に残りましたが、私がブソッティ作品に対して感じるエロティシズムの要素が足りず、「Per Tre」に関してはどちらかというと「愛撫」というよりは「身体検査」といった趣でした。
エロティシズム云々といっても、これは私の主観ですから、ブソッティにとってはこういうのも「有り」かもしれませんが、私が演奏するのならそうはしない、という好みの問題です。

今宵のメインは最後に演奏された「Autotono」という作品で、この作品の音符のほとんどない「楽譜」は、楽譜というよりは壮大かつ緻密な落書き集(というには絵として魅力的ですが)といった感じで、絵をそのまま楽譜として演奏するという困難な作業が演奏者に課せられ、演奏者次第で傑作にも駄作にもなりうるリスクをもちます。
普通はあの絵(=楽譜)を演奏する、ということを知ったら悪い冗談だと思うでしょう。

これを桐朋学園の学生達による(数名プロの演奏家も隠れキャラのように加わっていました)室内オーケストラ+声楽アンサンブルで演奏するということで、作品自体に対する疑念も相まって全く期待していなかったのですが、これがなかなか面白い仕上がりになっていました。
巨大な絵をアンサンブルのスコアの様に見立てて(絵の上部は声楽、下のほうは弦楽パートなど)、左から右へ解釈していくのですが、弦楽セクションの同期しないリズムや不安定な音程によるサワサワしたテクスチュアなど、肉感的で豊饒な響きが様々に変化する様子は、あたかもきちんと記譜された楽譜であるかのようでした。
あとで、演奏者に楽譜を見せてもらいましたが、若干の決めごとはあるものの基本的には「絵」を演奏していたことも確認できさらにビックリしました。
この高品位な演奏結果は、指揮を務めた杉山洋一氏の優れた指導の賜物ではないかと推測します。

これで終わるかと思ったら、最後にサプライズがありました。
アンコールとして、そしてブソッティが敬愛する(笑)プッチーニの生誕150年も記念して、プッチーニの子守歌「そして小鳥さんは」(ブソッティ編曲)がなんとブソッティ自身の歌唱によって演奏されました。
職業歌手でもなんでもないので、声量もないし、時々過剰なヴィブラートがかかったりと、失笑する場面も多々ありましたし微妙に恥ずかしがっている雰囲気もなくはなかったのですが、彼が豊かな歌心を持っていることと、イタリア人らしいベル・カント的な響きのポイントをしっかり持っていることには妙に感心させられました。彼の口笛が木管楽器の音色で模倣されるアレンジも洒落ていました。

あまりに観客の反応が良かったので、同じ曲をもう一度繰り返し歌ってしまいましたが、2度目の演奏となると少し度胸がついてか、歌にも自信が出てくる様子が、カラオケの隠し芸を披露するようでもあり微笑ましかったです。
演奏とは技術ではなく心が最も重要なんだな、と痛感させられもしましたが、このヘタウマな演奏、CDになったら私は絶対に買います!

演奏会の前には講演会も行われていましたが、相変わらず「迷宮入り」の展開になっていたようで聞きのがしたのが残念です。

話は変わりますが、帰宅するとシュトックハウゼン「モメンテ」の巨大なスコアが届いてました。この話はまた後日。

まっちゃん@シリウス : 12:42 AM | コメント (2) | トラックバック (0)

October 23, 2007

MoVE現代声楽レクチャー&ワークショップ・レポート

先日行った、現代声楽曲のレクチャー&ワークショップのレポートと写真が主催者の日本現代音楽協会のサイトにアップされていますので以下のリンクよりご覧下さい。

http://www.jscm.net/

まっちゃん@シリウス : 04:42 PM | コメント (0)

October 04, 2007

現代声楽作品レクチャー&ワークショップ

以下の企画に出演しますのでお知らせします。

MoVE 現代声楽レクチャー&ワークショップ
2007年10月13日(土)午後2時〜 スペースDo(新大久保駅より徒歩5分)
入場料/無料(要予約)
入場予約方法/10月12日(金)17時までに下記問合せ先へお申込みください。
ワークショップ参考曲(抜粋演奏)/
 Xenakis: Kassandra
 Stockhausen: Die 7 Lieder der Tage
 Berio: Sequenza III
 Lachenman: temAほか
出演/太田真紀(ソプラノ) 松平 敬(バリトン)
お問合せ、ご予約/日本現代音楽協会事務局 Tel: 03-3446-3506 Fax: 03-3446-3507
チラシ(pdf版)>>http://www.jscm.net/images/move.pdf

現代声楽作品における様々な声の取り扱い方をレクチャーと実演によって解説し、聴衆の皆さまにもいくつかの唱法を体験して頂くワークショップと組み合わせた企画です。
声を使った新しい試みに興味のある作曲家、声楽家の方はもちろん、声に興味のある全ての方に御越し頂ければと思います。
入場無料というのが大きなポイントですが、小さな会場ですので、お早めの申込を御薦めします。

まっちゃん@シリウス : 01:37 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

March 06, 2007

ポール・ヒリアーのIN C

arsnova_in_c.jpgテリー・ライリーの「IN C」といえば彼の代表作であるだけでなくミニマル音楽の「基本」のようなもので、これまで様々な演奏を収めたCDが発売されています。楽器編成が自由なので(民族楽器を用いたものからジャズ・ロック風なものまであります)、そのチョイスによって印象も違うし、この曲の場合そこで成否が決まるといっても過言ではありません。

あまりに色々な演奏が出回っているので、今回この新作アルバムを見つけた時に「またかよ〜」と一瞬スルーしかかったのですが、ジャケットにポール・ヒリアーの名前を見つけて「おっ?」となりました。
演奏は12人の声楽アンサンブルと9人の打楽器奏者によるマリンバばかりのアンサンブル(ヴィブラフォン、バリ・ゴングの奏者が例外的に一人加わります)というもので、この編成を見ただけで「勝ち」だなと直感しました。

ポール・ヒリアーの指揮する声楽アンサンブルは予想通りの透明感溢れるサウンドで、複数のマリンバの重なり合う様はガムラン音楽「風」、声の持続音、マリンバの減衰の早い音の組み合わせのお陰でこの曲の演奏で陥りがちなカオス的な状態に陥る事をうまく回避し見事な「多重人力ディレイ」を聴かせます。1時間という長時間にも関わらず、軽やかさを失う事なく無限の時を刻みつけていきます。

そういえばヒリアーは、ミニマル音楽と比較される事の多いシュトックハウゼンの「STIMMUNG」でも好演していましたし、「中世のミニマリスト」ペロタンの作品集(ヒリアード・アンサンブル)にもかつて衝撃を受けた記憶があるので、この種の時間感覚との相性が良いのでしょう。

まっちゃん@シリウス : 09:47 AM | コメント (2) | トラックバック (0)

February 10, 2007

ヴァレーズ「砂漠」世界初演

ptov.jpgシェルヘン指揮によるパーセル、モーツァルト、シューベルトが収められているこのアルバム、最大の目玉はヴァレーズ晩年の名作「砂漠」の世界初演のライヴ録音(1954年、放送音源)です。

お、なかなか丁寧に練習した良い演奏だな、と思っていると、電子音楽による挿入部分が始まったあたりから、客席がざわつき始め、大声の野次、笑い声、シーと静止する音などが次第に演奏を圧倒するようになっていき、最後の方ではまだ普通に演奏しているのに拍手が盛大に鳴り始めたり完全に無法地帯と化していきます。

後半は完全に音楽より客席の雑音の方がうるさいのですが、電子音や打楽器で少しでも聴き慣れない音響が出てくると普通に「ウケて」いたりする様がなかなか無邪気です。

そして、演奏が終わった後、待ってましたとばかりの激しいブーイングはステージに立つ演奏者、作曲家の立場を考えると冷や汗が出ます。

ストラヴィンスキーの「春の祭典」の初演の時のものすごい騒動は伝説になっていますが、「砂漠」のこの世界初演の録音を聴いて、これでも相当激しい反応だけれども、もっとすごかったのだろうか、などと興味が湧きます。

ちなみにシュトックハウゼンの「トランス」の初演録音での聴衆の反応も、ここまで行かないまでもかなり激しいものですが、作曲者本人が「このホットな反応が面白い」ということで、後日収録したスタジオ録音と一緒に収めた精神構造にはあっぱれです。

まっちゃん@シリウス : 10:06 AM | コメント (3) | トラックバック (0)

February 02, 2007

現代声楽曲資料集

コンサートなどのために自分で執筆した現代声楽曲の解説文を、最低限の手直しをして以下のページへアップしました。とりあえず、シェルシ、ケージなど7曲分です。

この手の作品に興味を持っている人の多少の助けになれば、と思いますが、主要作品だけでも網羅しようとするとかなりの負担になるので、更新頻度はかなり低くなると思われます。

現代声楽曲資料集

まっちゃん@シリウス : 03:02 PM | コメント (2) | トラックバック (0)

January 25, 2007

「まつだいら家」FM放送

私が出演する訳ではありませんが、私にゆかりのある曲が今週の土曜日NHK-FMで放送されるとのことですので、紹介しておきます。

1/27(土) am9:00-10:57 NHK-FM「名曲リサイタル」
川島素晴作曲「まつだいら家。」放送 曽我部清典(トランペット)
その他の曲目等はこちら

オリジナルの「まつだいら家。」は松平頼暁氏の生誕70年を祝う演奏会のために川島氏が作曲したもので、「まつだいら・よりあき、まつだいら・よりつね」などと、ひたすら松平家の家系を淡々と「トランペットで」しゃべっていきます。
数年前宇和島でやった私のリサイタルのために、同じアイデアによる私の名前をメインにしたヴァージョン「まつだいら家。II」を委嘱し、そのリサイタルのゲストとして参加して頂いた曽我部氏によって初演されましたが、現代音楽にほとんど馴染みのないお客さんも抱腹絶倒していました。

今回放送される演奏では、IとIIを自由に混ぜて演奏しているようで、私の名前が出てくるのかどうかも分かりませんが、とても面白い曲ですので是非聴いてみて下さい。
文字通りの「名」曲で、「名曲アルバム」という企画に最も相応しい作品と言えるでしょう。

まっちゃん@シリウス : 01:21 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

January 17, 2007

大友良英『幽閉者』

yuuheisha.jpg足立正生監督の同名の新作映画のサウンド・トラックです。Sachiko M、ジム・オルーク、秋山徹次、飴屋法水、刀根康尚らの強力な共演者との即興演奏をまとめたものですが、その内容は素晴らしいの一言に尽きます。ジム・オルークの静謐なギター、様々な具体音や電子音、激しいノイズ的な音響などが絶妙なバランスで同居していますが、それら全てに過激な美しさと表現したくなる何かが存在しています。特にノイズ系の音響がこのように(物理的にも)美しく響く音楽は他に聴いた事がありません。これはミキシング、マスタリングが絶妙でもあるのでしょう。

サウンド・トラックという様々な小品が並ぶアルバム形態自体も、この激しく切ない音楽の美しさを際立たせ、イマジネーションを喚起させるのに寄与していますが、実際は映画で使われた音楽からさらに手を加えているようです。

映画自体は2月3日からユーロスペースで上映されるようですが、あらすじを読んでこの音楽の内容に納得しました。
「幽閉者(テロリスト)」公式HP

まっちゃん@シリウス : 08:34 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

December 01, 2006

クセナキス打楽器作品集

xenakis_perc.jpgクセナキスの打楽器作品を収めた作品は数多くありますが、今回modeレーベルから発売されたものは3枚組となっており打楽器がらみの主要作品を網羅しています。

個人的には私のレパートリーでもある「カッサンドラ」が気になって購入しましたが、バリトン・パートを歌ったフィリップ・ラーソンの演奏にはかなり不満でした。以前から発売されているサッカスが歌ったものは大幅なカットもあるし、譜面が追えないくらいに滅茶苦茶な演奏(狂気に満ちた勢いはものすごいですが)でそれに比べると「まともな」演奏ではあります。

でも、彼がなぜリズムをきちんと拍子に合わせないのかが理解出来ません。五線譜に書かれているものの通常の音符を使わず曲線で大雑把に書かれている譜面ではありますが、16分音符単位でリズムを刻んでいくのは記譜から明らかです。それを「微妙に」ずらして演奏しているためにグルーブ感が全く出て来ませんし、打楽器パートとシンクロした「決め」のアクセントも当然完全無視、おまけに(きちんと譜面を見ながらチェックしてませんが)記譜されたグリッサンドのラインもそれほど尊重していないようなので、メロディー的にもコントラストが非常に少ない単調なものになっています。
打楽器の演奏自体もジェントルすぎてそれほど面白く感じません(録音、ミキシングの問題もあるのかもしれませんが)。

手前味噌ですが、これなら私のほうがはるかに面白い演奏ができる、と思いました。
20分のこの大作をライヴで完璧に演奏するのは非常に困難ですけど、セッション録音で完璧な状態のものを作ってみたいものですね。

ちなみに本CDの収録曲は以下の通りです。

打楽器ソロ作品:
Psappha(1975), Rebons(1989)

デュオ作品:
Dmaathen(1977) オーボエとのデュオ
Komboï(1981) チェンバロとのデュオ
Kassandra(1987) バリトンとのデュオ
Oophaa(1989) チェンバロとのデュオ

打楽器アンサンブル作品:
Persephassa(1969), Pléïades(1978), Okho(1989)

まっちゃん@シリウス : 09:20 AM | コメント (2) | トラックバック (0)

September 05, 2006

洗足音大 現代音楽奏法講座

本日は洗足音大の現代音楽奏法講座でゲストとして参加してきました。
メンバーは以下の通りです。
(双子座三重奏団+αという感じです)

曽我部清典(トランペット、司会)
中川俊郎(ピアノ)
神田佳子(打楽器)
溝入敬三(コントラバス)
松平敬(声)

それぞれのメンバーのデモンストレーションをやった後、最後に全員で合同演奏という構成でしたが、そこで滝廉太郎の「花」をスペシャル・アレンジで演奏しました。
春の双子座三重奏団のライヴでもアンコールとしてやりましたが、そのアレンジをベースに最後にかなり長めの即興演奏の部分も加えての抱腹絶倒の演奏となりました。

アレンジといっても口頭で段取りだけ打ち合わせて、あとは流れで即興的にやっていく形式でしたが、メンバー全員が即興演奏も大好きな人ばかりで脱線しまくりのリハーサルもとても楽しかったです。

大学の授業ですが、ほとんど自分の趣味のようなことで楽しませてもらった感じでした。

溝入氏がデモンストレーションでやった自作の「怪盗キクノロと名探偵アキチくん」は語りをしながらコントラバスを演奏するという超絶技巧を必要とする作品ですが、これが作曲、演奏とも実に痛快で、CDも出ているとのことでしたので早速購入しました。
ここで試聴が出来ますので興味のある形はどうぞ。下のジャケット画像はAmazonへのリンクになっています。

nekokoban.jpg

まっちゃん@シリウス : 10:57 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

August 27, 2006

James Tenney, 1934-2006

また一人、偉大な作曲家が亡くなりました。
ご冥福をお祈りします。

ソース:http://www.artsjournal.com/postclassic/2006/08/james_tenney_19342006.html

まっちゃん@シリウス : 08:16 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

June 13, 2006

ジェルジ・リゲティ死去

ligeti_concertos.jpg83歳だったそうです。
なんだかんだと言いつつも、この人にはかなり影響を受けました。

今は全く違いますが、学生時代にはリゲティ・マニアだったといっても良いくらい入れ込んでいました。
10年以上前、学生時代に来日した時のレクチャー&コンサートを聴きに行きましたが(エチュードの第1巻とか2台ピアノの曲とかをやっていました)、かなりに口の悪さに失笑した記憶があります。

リゲティがハンガリーから「西側」に亡命してきた直後、シュトックハウゼンが色々と世話したのは良く知られているかと思いますし、シュトックハウゼンの弟子といっても良いのではないかとも思ってますが、実はリゲティの方が年上だったのですね。

それにしても京都賞をとった人は受賞後まもなく死んでしまう、というジンクスがありますが2001年に受賞したリゲティもそうでした。。。
アーノンクールとかどうなるのでしょうか?

晩年の傑作であるヴァイオリン協奏曲が入ったCD(上記ジャケット)でも聴きながらご冥福をお祈りしたいと思います。

ソース>asahi.com

まっちゃん@シリウス : 06:18 AM | コメント (6) | トラックバック (0)

June 08, 2006

シェルシ:弦楽&チェロ作品集 Natura Renovatur

natura.jpgECMレーベルからシェルシの新譜が発売されました。収録作品、演奏者は以下の通りです。

Ohoi
Ave Maria*
Anâgâmin
Ygghur*
Natura renovatur
Alleluja*

チェロ独奏:Frances-Marie Uitti*
Münchener Kammerorchester 指揮:Christoph Poppen

弦楽オーケストラのための作品と無伴奏チェロの作品を交互に並べた構成になっていますが、シェルシならではの繊細な弦楽の響きを遠近両面から観察できる仕掛けになっています。

チェロ独奏の方は1本のチェロを4本の弦の合奏と見立てて(楽譜も4段になっています)、ユニゾンから逸脱する微分音的な複数の弦の軋みと微細な音色変化を聴かせるYgghurと、極めてシンプルで旋法的なグレゴリア聖歌風のAve MariaとAlleluja(どちらも原曲は合唱作品)といった、全く作風の異なる作品を組み合わせていて、これがアルバム全体のトーンにうまく変化をつけています。

弦楽のための作品は複数の弦楽器のうねるようなハーモニーが印象的ですが、微分音を多用したハーモニーから突然長三和音が立ち上がって再び無調のテクスチュアに解体して行くNatura Renovaturを始めとして秀逸な作品が揃っています。

どの作品もこれまで別の音源で聴けたものばかりなのですが、これらの繊細な響きをテーマとした作品がECMのきめ細かく美しい録音によって聴けるというのが、大きなポイントかと思われます。

僅かなウィークポイントがチェロ独奏による前述のAve MariaとAllelujaでしょうか。
作品がシンプルなだけにもっと考え抜いたフレージングで演奏されれば、と悔やまれます。
アルバムの構成上、こうした作品があるのは良いアクセントになるのですが、どちらもアルカイックな曲想にしては「歌いすぎ」で、少し中途半端な印象が残ります。

まっちゃん@シリウス : 11:25 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

April 17, 2006

レパートリー(現在→未来)

先日のバリトンのための現代曲レパートリー、少し補充して独立したページにまとめました。
もっと有用なリストとなるためには楽器編成を全曲記入したり、演奏時間や楽譜の出版社などの情報、各作品の解説へのリンクなどが必要かと思われますが、それが完成するのを待っているといつまでもアップできないので、とりあえず曲目だけアップです(拙HPには「とりあえず」と名のついた未完成コンテンツがあまりにも多い気もしますが。。)。これが何か未来の企画に繋がっていくと良いのですが。。。

http://tierkreis.web.infoseek.co.jp/archive/rep.html

まっちゃん@シリウス : 10:02 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

April 14, 2006

変幻自在

ある声楽関係の団体の会報のために依頼されて執筆した原稿を以下に紹介します。
オペラや歌曲などの一般的な声楽曲には興味はあるけれども現代曲にはほとんど無縁な愛好者を想定して書いたものです。

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 皆さんは、「声」とは何か、「声」が他の楽器の音色と全く異なった存在であらしめるものは何であるか、深く考えてみた事があるでしょうか?
 まず、すぐ思いつくのは「声」は「ことば」を持っている事です。では、なぜ楽器は「ことば」を話せないのでしょうか?一見馬鹿馬鹿しく思われるこの問いに「声」の秘密が隠れています。「あ」「い」が別の音として聞こえるのは母音が異なっているからですが、母音の違いは器楽的に言えば音色の違いということになります。日本語で母音は5種類、英語やフランス語だともっと沢山の母音がありますが、それはすなわち沢山の音色の違いをコントロールすることに対応します。楽器で同じ事をしようとするとどうなるでしょう?トランペットだと様々な種類の弱音器を付けたり、ヴァイオリンだと通常弓で弾くところを、手で弦を弾いたり、通常と異なる場所に弓を当てたりすることによって多彩な音色を使い分ける事ができますが、日本語のたった5種類の母音を演奏し分ける事すら出来ません。ことばにはさらに子音があり、子音がそれほど優勢でない日本語でも10種類以上の子音がありますが、楽器でこうした音を完全に区別する事は当然不可能です。母音はピッチがはっきりしていて楽譜に音高を正確に記譜できる音(楽音)ですが、子音は明確なピッチを持たない、打楽器風でノイズ的な音響で、声はこうした多彩な音響を楽々と複雑にコントロールできる魔法の楽器であるといえます。最近巷で流行っているヴォイス・パーカッションもこうした声の特性を生かした好例といえるでしょう。
 ことばの違いによる音色変化以外にも「声色」を変える事によりさらに音色変化のヴァリエーションを増やす事ができますし(例:鼻にかける、息混じり、ファルセット、ホーミーetc.)、指を鳴らしたり、手を打ったり、という体から発せられる音も声の延長とみなせば、一人の人間の体からありとあらゆる音響を生成する事ができるといっても過言ではありません。ある作曲家は「ギターは小さなオーケストラである」と言ったそうですが、現代流に言えば「声は生けるシンセサイザーである」と表現できるでしょう。
 イタリアの作曲家ルチアーノ・ベリオLuciano Berioが1966年に作曲した現代声楽曲の古典「Sequenza III」では今まで述べてきた声の多彩な可能性が徹底的に追求されています。「ことば」は音素の単位まで分解される事により「意味」から解放された抽象的な音響へと変容し、それがさらに、日常生活から切り離された笑い声や喘ぎ声など様々な声の表情と組み合わされる事により、変幻自在な音色の世界が立ち現れます。しかも、その抽象性と声の肉体性が絶妙に共存することにより音楽としての深みが一層増しているところも興味深いです。皆さんも一度この「声」の未体験領域を体験してみてはいかがでしょう?

まっちゃん@シリウス : 12:00 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

April 11, 2006

レパートリー

バリトンのための現代作品のレパートリーをまとめるべくざっとリストアップしてみました。(オペラは除外)
これまで歌ってきたもの(太字)、機会があったら歌ってみたいものを作曲者別にまとめてみましたが、やはり非常にお寒い分量でがっくりしてしまいます。
クセナキスのAis(バリトン・ソロ、打楽器ソロ、オケ)のような個人レベルでは100%実現不可能な曲もリストに入っていますし、そこまで大変でなくても予算的に実現困難な曲も多いので気軽に演奏できる曲はもっと絞られる事になります。

その中でひときわ光っているのがケージです。
「ソング・ブック」だけで90曲ほどありますし、ここにリストアップしていない作品もまだまだあります。声のレンジを気にしなくて良い曲がほとんどなので余計に選択肢が広いですが、他の作曲家も彼くらい声の曲を書いてくれれば、と思わずにはいられません。

他に私が演奏できそうなレパートリーがあればご教示頂けると嬉しいです。

Goerges Aperghis: Le rire physiologique [bar. pf.]
Goerges Aperghis: 14 Jactation

Luciano Berio: Sequenza III

John Cage: 4'33''
John Cage: Aria
John Cage: A Flower
John Cage: Ryoanji
John Cage: Song Books
John Cage: 62 Mesostics Re Merce Cunningham
John Cage: Eight Whiskus
John Cage: FOUR6
John Cage: Radio Music
John Cage: The Wonderful Widow of Eighteen Springs

Cornelius Cardew: Volo Solo
Cornelius Cardew: Treatise

Morton Feldman: Intervals [bass-bar. tb. vc. perc.]
Morton Feldman: The O'Hara Songs [bass-bar. chimes pf. vn. va. vc.]
Morton Feldman: Only

Mauricio Kagel: Rrrrrrr...
Mauricio Kagel: Fürst Igor, Stravinsky
Mauricio Kagel: Phonophonie
Mauricio Kagel: Exotica

György Kurtág: Hölderlin-Gesänge, op. 35a
György Kurtág: Drei Lieder, op. 11a

György Ligeti: Der Sommer
György Ligeti: Aventures
György Ligeti: Nouvelles Aventures

Alvin Lucier: Music for Baritone with Slow Sweep Pure Wave Oscillator [bar. tape]
Alvin Lucier: Fruits and Vegitables [bar. pf. tape]
Alvin Lucier: Lullaby

Aribert Reimann: Entsorgt

Giacinto Scelsi: WO MA
Giacinto Scelsi: Maknongan
Giacinto Scelsi: Ogloudoglou [man voice, perc.]
Giacinto Scelsi: Yamaon [bas. 5 players]
Giacinto Scelsi: Canti del Capricorno

Salvatore Sciarrino: Quaderno di strada

Kazimierz Serocki: Serce nocy

Karlheinz Stockhausen: Tierkreis
Karlheinz Stockhausen: Die 7 Lieder der Tage
Karlheinz Stockhausen: Spiral
Karlheinz Stockhausen: Stimmung
Karlheinz Stockhausen: In the Sky I am Walking
Karlheinz Stockhausen: Fall
Karlheinz Stockhausen: Tate Yunanaka
Karlheinz Stockhausen: Mastix

Igor Stravinsky: Abraham and Isaac

Iannis Xenakis: Kassandra
Iannis Xenakis: Pour Maurice
Iannis Xenakis: La Déesse Athéna
Iannis Xenakis: Ais

Anton Webern: Cantata No.2

川島素晴:3つのインヴェンション
川島素晴:音楽詩劇『朝日に舞う黒鳥』
高橋悠治:ぼくは12歳
武満徹:小さな空
武満徹:めぐり逢い
武満徹:見えないこども
武満徹:翼
武満徹:うたうだけ
武満徹:ワルツ
武満徹:島へ
中川俊郎:ベルジュレット
中川俊郎:浴室のアルキメデス
中川俊郎:うみのきりん、かわからきたおさかな
松平敬:双子座三重奏曲
松平敬:まそなつかか
松平頼暁:It's gonna be a hardcore!
松平頼則:古今集
湯浅譲二:天気予報所見
湯浅譲二:「R. D. レインからの二篇」

まっちゃん@シリウス : 10:57 PM | コメント (9) | トラックバック (0)

February 13, 2006

少し整理、盆栽?

更新情報です。

ケージ「ソング・ブックス」の記事の続きを追加しました。
http://tierkreis.web.infoseek.co.jp/archive/

この記事を書いたついでに、「龍安寺」「ソング・ブックス+冬の音楽」の録音のリミックスもしました。
どちらもCD-Rに焼いておいた録音素材と同時に生演奏を行ったのですが、あとで聞いて見て
生演奏と録音音源の音量、音色のバランスが良くなくて気になっていたのです。
マルチで録音していた訳ではないので、ステレオのライヴ録音にCD-Rに焼いた音源のマスターをミックスするという荒療治を施しましたが、音源を重ねるタイミングや音量、音質を細かく調整したので、かなり良い感じになりました。
両方足して演奏時間50分くらい、どちらも録音の少ない曲(あるいはヴァージョン)なのでどこかからうまくCDとして発売できるといいのですが。。。

あと、更新が進まないシュトックハウゼンCDガイドですが、ごくわずか記事を増やしました(CD79打楽器作品集の一部)。
当ブログで紹介したものも、とりあえずそちらにも貼り付けておきました。

http://tierkreis.web.infoseek.co.jp/kstcd/

どうでもいい話ですが、HPの更新って盆栽の世話につながるところがあるな、とよく思います。

まっちゃん@シリウス : 12:59 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

February 08, 2006

La Monte Young: The Well-Tuned Piano

wtp.jpgラ・モンテ・ヤングの録音音源はもともと種類が少ない上にそのほとんどが極めて入手困難ということは良く知られています。その中でも最もレアなのがこの「The Well-Tuned Piano」(CD5枚組)でしょう。純正律に調律されたピアノを5時間引き続けるトンデモな作品ですが、一度聴き始めるとそんな異様な演奏時間の長さを忘れてしまうくらいにその美しく神秘的な音響にのめり込んでしまいます。

ジャケット画像はAmazon.co.jpへのリンクになっていますけど、現時点で最安値の65000円はかなり「お買い得」といえます(汗)。
他の出品者の付けた値段を見ると98万円(!)というとんでもない金額が付いていますし、Amazon.comで調べてみてもそこまではいかないにしても20万円を超える、普通の神経ではとても買う気のしない値段設定になっています。

廃盤になったままなのでこういう異常な事態になっているのですが、100万円近くを出してこのCDを手に入れて、後で1万円弱で再発売なんてことになったら気絶してしまうでしょう。

まっちゃん@シリウス : 10:28 AM | コメント (2) | トラックバック (0)

January 31, 2006

ナム・ジュン・パイク氏逝去

ナム・ジュン・パイク氏が29日、マイアミの自宅でお亡くなりになったそうです。
ご冥福をお祈りします。

http://www.paikstudios.com/

まっちゃん@シリウス : 11:11 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

January 21, 2006

ホンダのシュトックハウゼン風(?)CM

ホンダのシビックのCMですが、かなり笑えます。

車のありとあらゆる音を、合唱団が様々な特殊唱法を駆使して模倣し、それが車の実際の音と絶妙にミックスされるのですが、そのサウンドのセンスがかなりシュトックハウゼン的で、なかなか面白いです。
例えば、Kinderfängerでの楽器の音と具体音の混ざり具合をイメージすると良いでしょうか?
合唱団のちょっとしたアクションも映像の撮り方も含めて楽しめます。

以下のリンクのWatchというメニューからCM動画が見られます。

Honda (UK) - Civic

まっちゃん@シリウス : 10:58 PM | コメント (5) | トラックバック (0)

January 12, 2006

フェルドマン生誕80年

先日のアニヴァーサリーの記事で言及し忘れていましたが、今年はフェルドマンの生誕80年です。
そして、彼が生きていれば今日が80回目の誕生日でした。

ひっそりとお祝いしましょう。

まっちゃん@シリウス : 06:45 AM | コメント (4) | トラックバック (0)

December 07, 2005

I氏の新作オペラ

ある有名な日本人作曲家I氏の新作オペラの初演が数ヶ月後に控えていますが、その演奏に私の身近な人が関わっています。その関係でそのオペラの楽譜を見せてもらったり稽古の様子を聞かせてもらったりしているのですが、驚かされるのはその大御所作曲家I氏の声の扱いのひどさです。

この人は今回で3作目のオペラとなる訳ですが、第1作目のオペラを聴いた時にはやはり声の扱いのひどさにびっくりしました。(作品としての出来もあまり良くなかったと記憶しています。オーケストラの間奏曲が少し良いかな、と思った程度です)

そもそもこの作曲家I氏に関してはここ最近の作品に関しては私は全く評価し