--- Classical Music ---

May 02, 2008

[激安]ハイティンクの「指環」

haitink_ring.jpg長大なワーグナーの大作「ニーベルングの指環」のCD、ここまで安くなったのに感慨を覚えます。最近再発売されたハイティンク&バイエルン放送響による「指環」がHMV(画像をクリック)のオンライン会員価格で買うとなんと6,606円です(一般価格でも7306円)。14枚組なので、1枚当たり約472円という冗談のような価格設定です。
安さだけで言えばクーンのものがもっと安かったはずですが、こちらは演奏がお薦めできません。

しかし、このハイティンク盤は演奏が素晴らしいですし、なんといっても音質がとても良いです。製作費などの関係でワーグナーのオペラはライブ録音が多いのですが(もちろん、それはそれで貴重です)、こちらはじっくりと作り上げたセッション録音(1988-91年録音)なので、重厚にして繊細なワーグナーのオーケストレーションの色彩を再現するバイエルン放送響の重みのあるサウンドがクリアーに収められています。

演奏の良し悪しに関しては好みもあろうかと思いますが、値段、音質、演奏を総合すれば、少なくとも「指環」初心者に最適と言えるのではないでしょうか。

まっちゃん@シリウス : 08:46 PM | コメント (10)

March 11, 2008

いにしへの音樂

作詞、作曲者の著作権は死後50年、その演奏に関わる著作隣接権は発行後50年で切れますが、そのどちらも消失したパブリック・ドメインのクラシック音楽の録音を集めたサイトが以下のURLにあります。
Public Domain classic

左に作曲者の名前が並んでいて、そこをクリックするとその作品の一覧、それをさらにクリックするとその作品の様々な演奏を収めたmp3に辿り着けます。

例えばベートーヴェンの交響曲第5番だとこのような感じです。
http://public-domain-archive.com/classic/composition.php?album_no=12

古くは1913年のニキシュの演奏から、ワインガルトナー、フルトヴェングラー、トスカニーニ、若き日のカラヤンまで様々な演奏を無料で聴き比べることが出来ますし、普通にダウンロードも出来ます。
古の巨匠の演奏を味わうのもいいですし、以下のような小品をノスタルジックに楽しむのも味わい深いです。

エルガー「愛の挨拶」(1913年録音)
サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」(1904年の自作自演もあり)

ラフマニノフやガーシュインの自作自演もありますし、プッチーニのオペラ全曲が聴けたりもします
プッチーニ「トスカ」(テバルディ、カラス)


そして、このような古の音源を楽しむのに最適な、レトロプレイヤーというナイスすぎるソフトがあります。

レトロプレイヤー(Mac OS XまたはOS9)

retroPlayer.jpg

mp3などの音声ファイルをプレイヤーの画面にドラッグするだけで再生できますが、レコード盤が回ったり、針の雑音が加わったり、音程が微妙に揺らいだり、果てには針飛びが起きたり(これらの程度は設定可能です)と細部までの拘りに胸キュンになってしまいます。

まっちゃん@シリウス : 11:19 AM | コメント (2)

January 09, 2008

iTunes Store 1500円祭り

とある筋からベームのモーツァルト交響曲全集がiTunes Storeで1500円で買えると知り、アクセスしてみてあまりの安さにビックリしていると、そのリンクからケンプやバレンボイムのベートーヴェン、ピアノ・ソナタ全曲も1500円で購入できることも分かったので、以下にリンクを張っておきます。

ベーム、モーツァルト交響曲全集

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ケンプ、ベートーヴェンピアノ・ソナタ全曲

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バレンボイム、ベートーヴェンピアノ・ソナタ全曲

ついでに以前から知っていた1500円お買い得セットも紹介しておきます。
なんといってもアーノンクールのベートーヴェンてんこ盛りセットが演奏も含めてお薦めです。

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カラヤン、ブルックナー交響曲全集

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アバド、マーラー交響曲全集

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アーノンクール、ベートーヴェン交響曲全集+序曲集+ヴァイオリン協奏曲+プロメテウスの創造物+荘厳ミサetc.

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まっちゃん@シリウス : 09:48 PM | コメント (2)

November 13, 2007

カッチーニ「アヴェ・マリア」の作曲者

10年前程から突然有名になったカッチーニの「アヴェ・マリア」ですが、一聴して初期バロックの作曲スタイルと異なる作風(むしろ「シヴァの女王」などの古いスタンダード曲を思わせます)から、きっとこの曲は偽作だろうと思っていました。
以前から色々調べていましたが、遂にそれなりに信憑性の高い情報を見つけました。

http://en.wikipedia.org/wiki/Vladimir_Vavilov

このサイトの情報によるとロシアのギター、リュート奏者でもある作曲家Vladimir Vavilov (1925 –1973)による作曲とのことです。彼はバロックやルネッサンスの作品と称して自作の曲を発表するということをよくやっていたようで、この「アヴェ・マリア」もそうした作品の一つのようです。ただ、彼はカッチーニ作とは称していなかったとのことで、どういう経緯でカッチーニ作曲というクレジットが広まったかはいまだによく分かりません。

こちらのサイトにはこの曲が有名になった経緯が書かれていますが、そのきっかけとなった録音で歌ったInessa Galanteはどこかでこの曲を(カッチーニ作曲と信じて)聴き、それを楽譜に起こした、とのことです。

もし、この話が本当だとすると、「アヴェ・マリア」まだ著作権の生きているVavilovの作品となるので、彼の遺族に突然著作権料が支払われることになるのでしょうか?

まっちゃん@シリウス : 11:43 PM | コメント (2)

June 16, 2007

備忘録

最近やっている作業(少しずつ書き加わるかもしれません)

・バッハ「マタイ」のイエスのパートの練習。
7月下旬に演奏予定なのです。

イエスの最後の言葉「エリ、エリ〜 אֵלִי אֵלִי, לָמָה עֲזַבְתָּנִי」というのもヘブライ語ですね(詩篇22番冒頭)。せっかくヘブライ語・日本語の対訳本を買ったので原典にあたって調べてます。
指導している合唱団で「ハレルヤ」をやっていますが、これもヘブライ語、「ハレルー・ヤハ הַלְלוּ-יָהּ」です。

・シュトックハウゼン「ピアノ曲X」のアナリーゼ。
あまりの音の多さに、はじめはどこから手を付けて良いか分かりませんでしたが、きっかけさえつかめば思ったよりもシンプルで整然とした構造になってます。
8月23日の大井氏のリサイタルでの上演曲。
(先日演奏中止になったシェーンベルク・川島素晴編「黄金の仔牛の踊り」の初演もここで予定されています。)

ちなみにシュトックハウゼンといえば、「自然の持続時間」でピアノの減衰音が完全に消えるのを待たずに次のフレーズへ行って云々、という感想が多かったので(私も同じことを感じましたが)、ベンヤミンに遅ればせながらメールで聞いてみると、やはりシュトックハウゼンの指示でそうしたということです。はじめは几帳面に音が全部消えるのを待っていたが、待ちすぎずに次へ行くように、と言われた、ということです。
この作品のCDがあと数日で到着するはずですので、そこでさらに詳細にチェック出来るかと思います。

・シュトックハウゼン「シュピラール」の練習
こちらは7月のシュトックハウゼン講習会に備えて。
さすがに1年前にもやっているので、その時は結構あたふたしていた感覚が減り、かなり余裕を持って演奏出来るようになりました。
一見好き勝手に演奏すればよさそうな印象を持たれがちですが、きちんとやろうとすると極めて難しいのです。

しかし、入ってくる短波放送のほとんどが中国語というのは音楽的ヴァラエティの面から問題です。

・iTunes Storeでお買い物
先日紹介したアーノンクール以外にも大量に購入してしまいました。
ベティ・デイヴィス(マイルスの一時期の奥さん)のアルバム、ここでやっと聴くことができましたが、これは激ヤバのファンクで、こんな人と結婚したからこそ70年代のドロ沼のような音楽へと進化できたのかと納得。
ジョニ・ミッチェルの「コヨーテ」(ジャコ・パストリアスとのデュオ・アルバム)もなかなか良いですね。
その他、クリスチャン・ウォルフ、リュック・フェラーリ、ヴァレーズなども購入。

・巨人の星
冬くらいからずっと見続けていますが、やっと3巻目(1巻辺り10枚セット)のDVDに突入、大リーグボール2号もう少しで完成です。
しかし、次回予告で次の回のオチが分かってしまうのはどうなんでしょう。。

まっちゃん@シリウス : 07:54 AM | コメント (2) | トラックバック (0)

June 12, 2007

アーノンクール祭

iTunes Storeに大量のアーノンクールのアルバムが追加されました。
以下のバナーからアーノンクール関連音源へアクセスできます(要iTunes)。

Nikolaus Harnoncourt

キャシー・バーベリアンと共演したモンテヴェルディ・アルバム、メンデルスゾーンの交響曲、魔弾の射手、バッハのカンタータなど、現在手に入りにくい音源も含め、大量に追加されているだけでも驚きですが、もっとすごいのは価格です。

ベートーヴェンの交響曲全曲、序曲集、ヴァイオリン協奏曲、荘厳ミサ、プロメテウスの創造物すべて合わせて1500円というのが最も凄まじいですが、その他お買い得価格のものも多いです。ただし、同種の音源の違うフォーマットの物が重複して登録されていて、買い方によって安くなったり高くなったりするのでこれには注意が必要です。

ベルリン・フィルとのブラームスの交響曲全集など、ずっと気になっていて買わずじまいだった音源がいくつかあったので、まとめていろいろ購入しました。

音質的にはCDを買った方が良いのですが、忙しくて家でゆっくり聴く時間がなく、出先でiPodでの聴取がほとんど、というのと(この状態で聴くには十分な音質)、現時点ですでに大量のCDが家に溢れているので、スペース節約という目的もあり、iTunes Storeは結構お世話になっています。

ひそかにジョン・ケージのナンバー・ピースがそれなりに充実していたり、ジャズ系だとブルーノートの古典的なアルバムが1000円以下で買えたりと、うまく使うと手軽に様々な音源を集めることが出来ます。

まっちゃん@シリウス : 09:09 PM | コメント (2) | トラックバック (0)

May 05, 2007

「熱狂の日」〜バルトーク、ストラヴィンスキー・プロ

前回の日記で書いた通り、5月7日のシュトックハウゼンのコンサートでピアノを弾くベンヤミン・コブラーが出演する「熱狂の日」のコンサートに行ってきました。

私の聴いたプログラムは、バルトークの「2台のピアノと打楽器のためのソナタ」とストラヴィンスキーの「結婚」の2曲で彼は「結婚」の第4ピアノを担当でした。

友人の彼が出ていることとは無関係に、とても楽しめるコンサートでした。
ピアノ+打楽器という組み合わせを考えると、この「ソナタ」と「結婚」というのは絶品な組み合わせですね。
リハ時間が極端に短くて、とぼやいていましたが、全くそれを感じさせない演奏でした。
彼らにとっては「えいっ」という感じでもできるのでしょう。

バルトークからストラヴィンスキー用への忍者並みの舞台転換(間に休憩なしなので、全員がこの転換を凝視していました)のあと、「結婚」の演奏者が入場してきましたが、飛行機の荷物運搬のトラブルで合唱団員の衣装が届かず、全員「熱狂の日」のスタッフTシャツを着ての演奏でした(ズボンは普段着)。
ロシアの農村の結婚式を題材とした作品なので、これもありでしょう。

ごく僅かな乱れはあったものの、短期間のリハ(前日1時間半、当日15分!)での演奏とは信じられない一体感のある演奏で、複雑な変拍子も完全に手の内に入っていました。
スコア表記より若干速めのテンポもとてもエキサイティング(早口のロシア語を喋らなくてはならない歌い手にとってはスリリングだったでしょう)でしたし、コーラスのアンサンブルは圧巻でした。
意外に終結部の簡単な和音のアタックが揃わなかったり、ということもありましたが(何度かこの和音を繰り返すたびに揃ってきたので、やっぱりリハ不足なのだと納得)、それは許しましょう。

それにしても、バルトークもストラヴィンスキーも曲目解説が3行ずつ、というのにはある意味職人魂を感じました。(しかも、その下にものすごい余白がありました)
ストラヴィンスキーは「とにかく強烈なリズム」のような言葉、バルトーク作品では貴重な3行中の1行を「初演時の譜めくりはショルティ」という記述に使ってしまうのにも苦笑しました。

終演後、ベンヤミン夫妻に会い、流れで、また一緒に食事をすることになりました。

彼らと楽屋口から出ると、出待ち風のお客さんがずらっと並んでいて、彼もサイン攻撃に会い、まんざらでもない様子でした。
ラウラ(ベンヤミンの奥さん)はその様子がおかしいようで、サインをする姿を写真におさめていました。

別の演奏者と新宿で一緒に食べようと約束していたらしいのですが、よく話を聞くと新宿駅の裏に日本風の店(屋台?)があるからそこで、というだけの約束で、どの出口か、店の名前は何なのかも分からず、結局3人で和風の居酒屋に行きました。

掘りごたつのお店で、たこわさび、焼き鳥、ほっけなどを楽しんでもらいました。

ベンヤミン夫妻でバルトークの「ソナタ」を演奏したことがあることや、ラウラはアルゲリッチがこの曲を演奏した時の譜めくりを担当して、毎回極端に違うアプローチで弾くので譜めくりの立場としては非常にスリリングだったなどの話も聞きました。

このバルトーク+ストラヴィンスキー・プロは本日もう一度本番があります。
「結婚」はたまたま、ここ最近日本で演奏されることも多いですが(私もその内の一公演でソリストとして演奏しました)、4台ピアノがネックでなかなか上演されにくい曲で、残席も若干あるようですので、お越しになることをお薦めします。

まっちゃん@シリウス : 08:30 AM | コメント (4) | トラックバック (1)

February 04, 2007

音大生なら聴いておきたい100曲

とある知人より紹介してもらったこのページを見て切ない気持ちになりました。

音大生なら聴いておきたい100曲

このようなリストを作らないと、音大生なのに自分のさらっている曲以外は何にも曲を知らない、という悲惨な現状を象徴していますが、このリストを見ても、こんな基本的な曲すら入ってない!、というのはいくらでも出て来ます。
そういったものも含めて、この中の大部分の作品くらいは音大に入学した時点で知っているのが本来の姿だと思いますし、「音大生」になったのならこの何十倍の曲に触れなくてはいけないはずけれども。。。

ただ、私が大学の教員としてこうしたリストを作らなくてはならない状況になった場合、「適切な」100曲を選ぶというのは無理な話ですし、どうしてもその人の好みが出て来てしまいます。

それならいっそのこと、自分の好み丸出しの偏りまくった「基本」100曲リストを作ってみたらどうなるかと思い、作ってみました(時代の古い順に並んでいます)。
絞り切れず思い切ってざっくり割愛した曲も多いですし、交響曲数曲をまとめて1曲扱いにしたり、と実際は100曲以上になっているのですが、こんな感じです。

ペロタンのオルガヌム各種
マショー:「ノートルダム・ミサ曲」
オケゲム、ジョスカン・デ・プレ、パレストリーナ、ジェズアルドの諸作品
モンテヴェルディ:「オルフェオ」
モンテヴェルディ:「聖母マリアの夕べの祈り」
バッハ:「マタイ受難曲」
バッハ:「ロ短調ミサ」
バッハ:「ゴールトベルク変奏曲」ほか鍵盤楽器のための作品各種
バッハ:「フーガの技法」
バッハ:「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」
ハイドン:「天地創造」
ハイドン:「四季」
モーツァルト:交響曲各種(特に後期)
モーツァルト:ピアノ協奏曲各種(特に後期)
モーツァルト:「ハ短調ミサ」
モーツァルト:「レクイエム」
モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」
ベートーヴェン:交響曲(3番以降)
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲各種(特に後期)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ各種
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲3〜5番
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェン:「荘厳ミサ曲」
ベルリオーズ:「幻想交響曲」
ベルリオーズ:「レクイエム」
シューベルト:「冬の旅」ほか歌曲各種
シューベルト:大ハ長調交響曲
シューマン:「詩人の恋」ほか歌曲各種
ブラームス:交響曲各種
ブラームス:室内楽曲、歌曲各種
ムソルグスキー:「ボリス・ゴドノフ」
ヴァーグナー:「トリスタンとイゾルデ」
ヴァーグナー:「ニーベルングの指輪」
ヴァーグナー:「パルジファル」
ブルックナー:交響曲各種(5番以降)
マーラー:交響曲各種(特に6番以降)
スクリャービン:「プロメテウス」
スクリャービン:ピアノ・ソナタ(5番以降)、ピアノ曲各種(後期)
ドビュッシー:「海」
ドビュッシー:「遊戯」
ドビュッシー:「前奏曲集」
ドビュッシー:「12の練習曲」
シベリウス:交響曲各種(特に4番以降)
シェーンベルク:室内交響曲第1番
シェーンベルク:弦楽四重奏曲第2番
シェーンベルク:「月に憑かれたピエロ」
シェーンベルク:「管弦楽のための変奏曲」
シェーンベルク:「モーゼとアロン」
ベルク:「ヴォツェック」
ベルク:「ルル」
ヴェーベルン:作品番号のついた全作品
ストラヴィンスキー:「春の祭典」
ストラヴィンスキー:「結婚」
ストラヴィンスキー:「詩篇交響曲」
ストラヴィンスキー:「ムーヴメント」
ストラヴィンスキー:「レクイエム・カンティクルス」
バルトーク:弦楽四重奏曲(3番以降)
バルトーク:「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」
バルトーク:ピアノ協奏曲(第1番、第2番)
ヤナーチェク:「シンフォニエッタ」
ヴァレーズ:「イオニザシオン」
ヴァレーズ:「アンテグラル」
ヴァレーズ:「アルカナ」
ヴァレーズ:「砂漠」
メシアン:「世の終わりのための四重奏曲」
メシアン:「トゥーランガリラ交響曲」
メシアン:「4つのリズムの練習曲」
メシアン:「鳥のカタログ」
メシアン:「峡谷から星たちへ」
メシアン:「アッシジの聖フランチェスコ」
ブーレーズ:ピアノ・ソナタ(第2番、第3番)
ブーレーズ:「構造I, II」
ブーレーズ:「主のない槌」
ブーレーズ:「プリ・スロン・プリ」
シュトックハウゼン:「少年の歌」
シュトックハウゼン:「グルッペン」
シュトックハウゼン:「コンタクテ」
シュトックハウゼン:「モメンテ」
シュトックハウゼン:「ヒュムネン」
シュトックハウゼン:「シュティムング」
シュトックハウゼン:「祈り」
シュトックハウゼン:「シリウス」
シュトックハウゼン:「光」
ケージ:「ソナタとインターリュード」
ケージ:「ピアノと管弦楽のためのコンサート」
ケージ:不確定性を用いた作品各種
ケージ:ナンバー・ピース各種
リゲティ:「アトモスフェール」
リゲティ:「アヴァンチュール」
リゲティ:「ピアノのための練習曲」(第1巻、第2巻)
リゲティ:ヴァイオリン協奏曲
ベリオ:「シンフォニア」
ナンカロウ:プレイヤー・ピアノのための作品各種
ライヒ:「ドラミング」
グラス:「浜辺のアインシュタイン」
ヤング:「ウェル・チューンド・ピアノ」
シェルシ:「山羊座の歌」
フェルドマン:「コプトの光」ほか各種(特に後期)
クセナキス:「オレステイア」ほか各種
ラッヘンマン:「マッチ売りの少女」

日本人作曲家は省いてありますが、5人代表的な人を選べ、と言われたら、武満徹、湯浅譲二、松平頼則、松平頼暁、近藤譲の各氏を選ぶことになるでしょうか。
他の人の100曲リストも見てみてみたいですね。

まっちゃん@シリウス : 11:19 AM | コメント (6) | トラックバック (0)

June 26, 2006

電子バッハ by 高橋悠治

yuji_bach_concerto.jpgyuji_bach_goldberg.jpgyuji_bach_fuge.jpg

高橋悠治の旧譜が大量に再発されましたが、その中からバッハを電子楽器で演奏したものを紹介します。
一つ目は「クラヴィーア協奏曲集」。基本的にスタインウェイで弾いていますが、2つの協奏曲の第2楽章では電子ピアノ(フェンダーローズ)に換えての演奏となってます。不思議な事に、前後のアコースティック・ピアノで弾いている楽章と繋げて聴いてもほとんど違和感がありません。

二つ目は「ゴルトベルク変奏曲」。本編の方はアコースティック・ピアノですが、付録として収められた「14のカノンBWV1087」ではローランドのシンセサイザーによる演奏で、非人間的且つ暖かみをもったプログラミングが秀逸です。ほとんどが20秒〜40秒のごく短いカノンばかりですが、思わず繰り返し聴いてしまいます。

極め付けは「フーガの技法」をシンセサイザー(ムーグ、EMS)で演奏した「フーガの[電子]技法」です。これは、ふざけているのかと思いたくなるほどに、バッハの原曲を徹底的に解体してしまっています。極端なトレモロやヴィブラートをつけたり、オリジナルのピッチがほとんど分からないくらいの強烈なモジュレーションをかけたりと、いかにも「電子音」的なプログラミングを施している時点で原曲のフォルムがかなり崩れているのに、テンポはヨレヨレ(各声部の縦のラインが揃っていないところも数多くありますが、クリックトラックなどを使わずに多重録音を行ったのでしょう)、和声の整合性などお構いなしに一部の声部にディレイを掛ける事によってハーモニーもポリフォニーも極度に混濁している部分もあります。同じ声部でも曲の途中で音色がどんどん変化していくように構成していますが、何らかの統一的な規則性がある様子はなく、気まぐれに音色を変化させているように聞こえます。

バッハの意図したポリフォニーは無残なまでに破壊されていますが、上記の様々な音響操作によって、様々な音色の電子音によるポリフォニーが、バッハのフーガに寄生して奏でられる高橋悠治のオリジナル作品だと思って聴くのが正解ではないでしょうか。

バッハと電子音の相性は非常に良いですが、彼の音楽の持つ抽象性がそのような特性を持たせているのでしょう。
電子音との相性が良いクラシック音楽の作曲家でぱっと思いつくのはバッハ以外に後期ヴェーベルンくらいかな?などと思案していると、ルネサンス及びそれ以前のポリフォニー音楽はかなりの割合でOKではないか、ということに気付きました。
そういえば、大昔、マショーの「ノートルダム・ミサ曲」をMIDIに打ち込んで、2xリコーダー、2xフィードルという音色の設定にするとなかなか優雅かつ作品の隠れた魅力を再発見する結果になったことを思い出しました。

まっちゃん@シリウス : 07:14 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

June 25, 2006

異形ヴァーグナー2題

gould_wagner.jpg sow.jpg

ヴァーグナーの音楽から壮大さを取り去ると何が残るかを試してみた2種類の異色アルバムを紹介します。

一つ目はグレン・グールドによるヴァーグナーの作品集「Gould Conducts and Plays Wagner」。
生涯で唯一の指揮者としての演奏となる「ジークフリート牧歌」の異常に遅いテンポの演奏も面白いですが(同曲のピアノ編曲版も併録)、グールド自身がピアノ独奏用に編曲した「マイスタージンガー」や「神々の黄昏」からの抜粋の演奏が彼らしい独特な仕上がりになっています。大オーケストラの重厚で濃厚な色彩が、ピアノの乾いたモノクロームな響きへ置換される事により、ヴァーグナーの音楽のポリフォニックな側面が浮き彫りになってきます。特に「マイスタージンガー」の前奏曲はバッハがあと100年長生きしていたらこのような曲を書いたのでは、と思わせるほどの非ロマン的且つ疑似バロック的な解釈で演奏され、多重録音も駆使して複雑な対位法を活き活きと描いています。
「神々の黄昏」もピアノをオーケストラのように鳴らす事には全く興味がないようで、半音階的な和声やモチーフ、テクスチュアの不断の変容のみに焦点を当てたストイックな解釈は、ヴァーグナーの音楽から壮大さを取り除いても彼の音楽の素晴らしさには全く影響がない、つまりヴァーグナーの音楽は「初めに壮大さありき」ではないという事を強く示しています。
非ロマン的な演奏ではありますが、無味乾燥に陥ることなく、内なるエクスタシーに満ちた演奏になっているところも興味深いです。

もう一つの異色ヴァーグナー・アルバムはCurd Ducaによる、その名も「switched on wagner」というアルバムです。ヴァーグナーの曲をシンセで、というのは一見ありがちな企画のように思われるかもしれませんが、このアルバムでは重厚なシンセのハーモニーでヴァーグナーの壮大な作品を、という期待を完全に裏切ってくれます。
副題が「minimalistic mood music」とありますが、携帯電話の着信音にもできそうな「かるーい」「うすーい」ヴァーグナーに仕上がっています。鍵盤ハーモニカのような音色にプログラミングされたムーグ・シンセサイザーで「ヴァルキューレの騎行」を単音(!)で超絶的に演奏したり、口笛風の音色によるこれまた超絶的な単音演奏による「タンホイザー」、ディレイを効かせたエレクトロニック・ベースの音色の「ローエングリン」の「婚礼の合唱」(これも単音)など、微笑ましいトラックが続きます。
その他「マイスタージンガー」「ジークフリート」「パルジファル」なども収録されていますが、全11曲収録で総演奏時間36分という非ヴァーグナー的な短さも「ミニマル・ヴァーグナー」の面目躍如です。

まっちゃん@シリウス : 10:43 AM | コメント (2) | トラックバック (0)

February 25, 2006

ベルリオーズ = R.シュトラウス:管弦楽法

kangengaku.jpgクラシックの作曲家の方々で、これを読んでいなければモグリであろう名著、ベルリオーズ、シュトラウスによる「管弦楽法」の邦訳が出版されました。この著作の存在はずっと前から知っていたものの、邦訳本出版を期に遅まきながら読んでみました。
この本は基本的にオーケストラの楽器の用法を説明したものですから、オーケストラ曲を書いてみようと思う作曲家の人のための「参考書」の意味合いが一番大きいとは思うのですが、深く音楽を楽しみたい愛好家の人にとっても非常に楽しめる本だと思います。
ワーグナーへの愛情がひしひしと感じられるシュトラウスの加筆部分も興味深いのですが、当時の楽器の機能(特に管楽器)や音楽事情が垣間見られるベルリオーズの書いた部分は非常に面白いです。
同時代の二流作曲家のひどいオーケストレーションを具体的な楽器法を挙げて非難している部分の辛辣さも面白いですが、無能な指揮者、オーケストラ奏者などを徹底的にこき下ろしている記述は痛快そのものです。
無能で年老いた合唱指揮者が速いテンポの曲を振ってもすぐに老化した体の血液の循環になじむ中庸のテンポに落ち込んでしまう、などの記述からは情景がありありと浮かんできます。
オペラでよくある舞台裏の合唱団への指揮は、現代ではTVモニターを使って簡単に出来ますが、そのようなもののなかった当時は特殊な機会でテンポを伝えようとしたという話などものっています。

特筆すべきは「声楽」という一章が設けてあるところでしょう。
音域や、フレーズと演奏しやすさの関係などの詳細な記述は、声楽家である私の目で読んでも非常に的を得ていて、大いに感心しました。
フランスやイタリアの合唱曲でソプラノを2声に分けアルトを欠く書法がありますが、その辺の事情もよく分かりました。

ちなみにI氏による昨日初演された新作オペラでは、やってはいけない、とこの本で釘を刺されている劣悪な声楽書法に満ち溢れていたりするのですが、、、(汗

まっちゃん@シリウス : 10:38 PM | コメント (2) | トラックバック (0)

January 15, 2006

ベートーヴェン第九の自筆譜

以下のページでベートーヴェンの第九の自筆譜が「全ページ」閲覧できます。

http://beethoven.staatsbibliothek-berlin.de/de/sinfonien/9/index.html

画質も良好で、ある程度拡大してみる事もできますけど、ベートーヴェンが「格闘」して作ったのがよく分かって面白いです。出版社によってアーティキュレーション、ピッチの違いも多い曲なのですが、その辺も自分でチェックできるのは「実用」面でも非常にありがたいです。

自筆譜といえばシェーンベルクの自筆譜をネット上でかなり沢山見られるサイトがありますし、アーノンクールのモツレクの新録音のCDのおまけに自筆譜が見られるソフトも付いているのもお得です。
ほかに自筆譜がネットで見られるところってありませんかねえ?
この手の物を購入しようとするとやたら高くて躊躇してしまうのです。

まっちゃん@シリウス : 01:12 AM | コメント (3) | トラックバック (0)

January 13, 2006

アニヴァーサリー2006まとめ

いろいろな方からの情報も頂きましたので、生年順にまとめてみます。

ヴェルクマイスター1645-1706 没後300年
パッヘルベル1653-1706 没後300年
マレ1656-1728 生誕350年
モーツァルト1756-1791 生誕250年
ブルクミュラー1806-1874 生誕200年
レーガー1873-1916 没後90年
ファリャ 1876-1946 生誕130年、没後60年
レスピーギ1879-1936 没後70年
ピストン1894-1986 没後20年
宮城道雄1894-1956 没後50年
タンスマン1897-1986 没後20年
デュルフレ1902-1986 没後20年
ショスタコーヴィチ1906-1975 生誕100年
クレストン1906-1985 生誕100年
池内友次郎1906-1991 生誕100年
松平頼則1907-2001 没後5年(生誕99年)
ブリテン1913-1976 没後30年
石桁真礼生1916-1996 没後10年、生誕90年
柴田南雄1916-1996 没後10年、生誕90年
デュティユー1916- 生誕90年
アイネム1918-1996 没後10年
クセナキス1922-2001 没後5年
エヴァンジェリスティ1926-1980 生誕80年
フェルドマン1926-1987 生誕80年
チュードア1926-1996 生誕80年、没後10年
ヘンツェ1926- 生誕80年
八代秋雄1929-1976 没後30年

あとジャズの世界では、

マイルス・デイヴィス1926-1991 生誕80年、没後15年
ジョン・コルトレーン1926-1967 生誕80年
クリフォード・ブラウン1930-1956 没後50年


情報をご提供下さった、iioさん、りろさん、閘門大師さん、dolphyさん、いしづかさん、ありがとうございました。

まっちゃん@シリウス : 10:24 AM | コメント (8) | トラックバック (0)

January 07, 2006

さらにアニヴァーサリー

日本人の作曲家で調べてみると

池内友次郎1906-1991 生誕100年
石桁真礼生1916-1996 没後10年、生誕90年
柴田南雄1916-1996 没後10年、生誕90年
松平頼則1907-2001 没後5年
宮城道雄1894-1956 没後50年
八代秋雄1929-1976 没後30年

というのがでてきました。
何と言っても池内友次郎生誕100年というのが渋すぎます。
私にとってはどうしても和声の教科書とかをすぐ連想してしまうもので。。。

あと海外の作曲家でも

クセナキス1922-2001 没後5年
タンスマン1897-1986 没後20年
レーガー1873-1916 没後90年
レスピーギ1879-1936 没後70年
ピストン1894-1986 没後20年
ヘンツェ1926- 生誕80年
デュルフレ1902-1986 没後20年
アイネム1918-1996 没後10年
ファリャ 1876-1946生誕130年、没後60年
ブリテン1913-1976 没後30年

まあ、ちょっと苦しいのもありますが。。。
タンスマンとかピストンとか結構最近まで生きてたんですね。
あと、デュルフレも。

まっちゃん@シリウス : 09:17 AM | コメント (5) | トラックバック (1)

January 02, 2006

謹賀新年

あけましておめでとうございます。

今年はモーツァルト生誕250年だそうで、モーツァルト関連大いに盛り上がりそうですが、ショスタコーヴィチ生誕100年という微妙にマニアックなアニヴァーサリーもお忘れなく。

武満徹没後10年でもありますが、こちらもそれなりに盛り上がりそうですね。

あと、乙なところで

ブルクミュラー(1806-1874) 生誕200年
パッヘルベル(1653-1706) 没後300年
ヴェルクマイスター(1645-1706) 没後300年。

というのも。

この辺を組み合わせて結構マニアックなコンサートのプログラミングができそうですね。

ちなみにネタ元はCLASSICAのウェブログです。
http://www.classicajapan.com/wn/archives/001010.html

まっちゃん@シリウス : 10:13 AM | コメント (6) | トラックバック (1)

December 31, 2005

よいお年を

gardiner-be.jpg年末です。
私は歌い手の割に年末の「第九」には学生時代からほとんど縁が無いですが、この至高の名曲を「季節もの」として大量消費をするのがいやなのでそれはそれで丁度良いです。(その代わりラトルVPOと一緒にこの作品を歌えたという貴重な経験があるのは宝です)
でも、敢えてこの曲を大晦日に聴いてみようと思い、ガーディナーのベートーヴェン交響曲全集を引っ張り出した次第です。古典派の最後を飾る作品という位置づけでの解釈で古楽器も使った演奏時間59分の快速テンポのスッキリした演奏ですが、下手をすると仰々しいだけの演奏になりがちなこの作品の本当の深遠な素晴らしさを虚心に味わうことが出来ます。この合唱を一度でも歌った方ならお分かりだと思いますが、本当に歌うのが大変で(しかしベートーヴェンには「荘厳ミサ」というさらなる難曲もあります)アマチュアの方はよく懲りずに何度も歌いたがるのだな、と逆に感心したりしますけど、ガーディナーの手兵であるモンテヴェルディ合唱団はこの難曲を楽々と、しかもありえないくらいの緻密なアンサンブルですっきりと聴かせてしまうのに唖然としてしまいます。

ちなみに多くの音大の声楽科の学生はどこかのオケの第九公演に半強制的に付き合わせられるのですが、私の大学では(少なくとも私の在学中は)それがなく、その代わり「メサイア」の公演出演が合唱の授業の単位取得で必須だったので、そちらの方にむしろ「年末」を感じます。アーメン・フーガでヴァイオリンが2声で掛け合ったあと突然トゥッティでトランペットやティンパニの響きと共に歌い始める瞬間、「年末」感が絶頂に達したものです(やっとこの長い曲の本番が終わってビールが飲める、というのもありますけど)。

何はともあれ、このサイトをご覧になっている皆さんを始め、様々な方々には本当にお世話になりました。ありがとうございます。
また来年も宜しくお願いします。

まっちゃん@シリウス : 07:05 PM | コメント (2) | トラックバック (0)

December 16, 2005

「創世記」組曲

genesis.jpg1945年に7人の作曲家のコラボレーションによって作られた「創世記」組曲の新録音です。
作曲家と作品の分担は以下のようになっています。

シェーンベルク:前奏曲 
シルクレット:天地創造
タンスマン:アダムとイヴ
ミヨー:カインとアベル
カステルヌオーヴォ=テデスコ:洪水
トッホ:契約(虹)
ストラヴィンスキー:バベル

この組曲には初演の演奏者が参加したものすごく古い録音があって、数年前にCDとして発売されていましたが、今回のナクソスからのものは2000年の新録音です。まず注目すべきは冒頭のシェーンベルクの「前奏曲作品44」です。この作品は他にほとんど録音がないので非常に貴重なのですが、6分弱の短い曲ながら極めて充実した作品に仕上がっています。この短い作品の最後の方に少しだけ合唱が加わるのがネックになって演奏されにくいのだと思いますが、もっと広く紹介されるべき名作だと思います。この前奏曲は天地創造前の混沌を表していて(12音音楽をそうした概念と結びつけてしまう企画者のシルクレットの発想には賛同できませんが結果的に名作が生まれたのでよしとしましょう)、シルクレットの作品から聖書の「創世記」の物語が語り手を加えて展開されていく、という構成になっています。
緊張感に満ちたシェーンベルクの美しい作品のあとにSF映画のB級サントラのようなシルクレットの作品が続くときのあまりのギャップには唖然としてしまい(そもそもシルクレットは映画音楽のジャンルで活躍していた作曲家なのです)、それに続く作品もドビュッシーやラヴェルの影響が伺える「生ぬるい」音楽ばかりですが(これは聞き込んでいく内に印象が変わっていくかもしれません)、最後のストラヴィンスキーが(彼にとっての大傑作とは言えなくても)それなりにしっかりした作品なので少しほっとします。

一般受けしそうなのは「生ぬるい」方だと思いますが、この組曲を聴くとシェーンベルクとストラヴィンスキーがいかに偉大な作曲家であるかというのが浮き彫りになってきます。

天地創造の物語を音楽化したものはハイドンの「天地創造」をはじめとして沢山ありますが(ミヨーにもありますね)、「創世記」のそれ以降の話を題材にしたものに広げるとシェーンベルクの「ヤコブの梯子」、ストラヴィンスキーの「洪水」「アブラハムとイサク」など、様々な名作がずらずらと出て来ます。シュトックハウゼンの「光」に出てくるエーファも、アダムの妻イヴに由来したキャラクター(しばしばイエスの母マリアとも結びつけられています)だったりもしますが、こうした一連の物語は人間の精神の根源にも繋がる部分があるので音楽化の創作欲を沸き立たせるのでしょう。

まっちゃん@シリウス : 08:43 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

September 21, 2005

ブーレーズ指揮「水上の音楽」

watermusic.jpgブーレーズがヘンデルの有名な「水上の音楽」と「王宮の花火の音楽」を指揮したCDはかなりの奇盤と言えるでしょう。いわゆる「古楽奏法」のようなものがそれほど行われていなかった時代の録音なので、今の感覚からいくと恐ろしくテンポが遅いのですが、かといって「大時代的」なロマン派風な重厚さもなく、むしろ軽やかな印象を与えます。ブーレーズの他の演奏と同様、アンサンブルが極度に正確なのは言うまでもありませんが、トリルの全ての音までもクリアーに聞こえてくるのには思わず唸ってしまいます。ヘンデルのオーケストレーションはもともと薄めで普通に演奏してもスコアの音が全て聞こえてきますが、ブーレーズはそうしたスコアですら、さらに透明度を高めて、これでもかというくらいに楽譜の音符全てを浮き上がらせ、何でもないようなアルペジオの音形も造形的に聞こえてきます。
いかにも独創的で個性的な解釈、というやり方ではなく、ブーレーズなりに直球勝負で演奏した結果が一歩間違えると通俗名曲になってしまう有名曲を結果的に異化してしまったのは、彼が振ったベートーヴェンの「運命」の例と同じです。

似たような企画としてシュトックハウゼンがハイドンやモーツァルトのコンチェルトを振ったものがありますが、シュトックハウゼン作曲のカデンツァ以外、一見変わったところがないように見えても、じっくり聞いてみるとすべての音形を几帳面なまでに弾き込んで丁寧に浮き上がらせている、かなり異様な演奏であることに気付きます。

まっちゃん@シリウス : 09:45 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

March 28, 2004

シェーファーのルル

coverクリスティーネ・シェーファーがタイトルロールを演じたベルクの「ルル」のグラインドボーン・フェスティヴァル・オペラでの公演の模様がDVDで発売されました。「ルル」のDVDというとブーレーズ指揮のものがありましたが、これは特に映像が汚くて10分以上見る気のしないひどい代物でしたから、今回のDVDの発売はとても嬉しいです。そして単にまともな映像が出たというレベルでなく、このプロダクション自体の完成度が非常に高いので、ベルク・ファンはもちろん、多くの皆さんに見て欲しいところです。まず、クリスティーネ・シェーファーのルル役のはまり具合が最高です。多くの男性の運命を狂わせる魔性の美女という役どころにぴったりの彼女の容姿、衣装、演技、そして歌唱のすべてが絶品です。そして同心円上に複雑に回転する舞台や、背面に仕込まれた出入りする不思議な階段のセットも、その場面ごとの変化の付け方も含めて極めて巧妙に考えられています。ほかにも細かく挙げると色々ありますが、とりあえずは「まず見て下さい」というところでしょうか。

まっちゃん@シリウス : 08:33 PM | コメント (0) | トラックバック (1)

December 02, 2003

Monteverdi: Quarto Libro dei Madrigali

coverモンテヴェルディのマドリガルの中でもこの第4巻はもっとも感情表出の強い音楽でないかと私は考えます。ルネサンス風の5声のアカペラアンサンブルですが、至る所にバロック的な音形があらわれるなど、両者の時代の作風が錯綜しています。ジェズアルドのような強烈な転調はないものの、当時としては非常に大胆な和声が多用されていたりテクスチュアが急激に変化したりしていて、聴き所が本当に沢山あります。そしてConcerto Italianoの純度の高いハーモニーを維持しつつもこの曲集を貫く官能的な要素を大胆に表現する演奏は見事というしかありません。
このアルバムを聴いていると、うまく言葉で表現できないのですが、「天国と地上の中間の響き」というのはこんな感じかな、と思ったりします。おぼろげなイメージでこれ以上具体的に説明できないのが歯がゆいですけど。。。

まっちゃん@シリウス : 11:35 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

November 25, 2003

Monteverdi: Vespro della beata Vergine

cover宗教音楽はいろいろとありますが、天国あるいは神の国のヴィジョンをありありと見せてくれるものは数える程しかありません。ベートーヴェンの「荘厳ミサ」はそうした「天国に最も近い」音楽だと思いますが、それ以前の音楽なら(バッハではなく)このモンテヴェルディの「聖母マリアの夕べの祈り」がそうした音楽の筆頭に挙げられるでしょう。特に後半のLauda Jerusalem, 8声のソナタ、 Ave maris stella, Magnificatの天国的に美しい響きは神からの啓示であるといっても過言ではないくらいに素晴らしいです。この作品は数多くの録音がありますが、私のお勧めはRené Jacobsのものです。歌手、合唱、器楽奏者のすべての演奏がすべて極めて高いレヴェルを維持していますし、録音も極めて優秀でこの作品の天国的な響きを見事に収めています。

まっちゃん@シリウス : 11:51 PM | コメント (2) | トラックバック (0)

November 24, 2003

Handel: Messiah

cover一般の人にとって、年末といえばベートーヴェンの「第九」ですが、わたしにとって「第九」は年末の風物詩には終わらない深遠な大傑作であり、そう軽々しく演奏するものではないと思っています。
私にとって年末といえばむしろヘンデルの「メサイア」です。私の母校では年末には第九ではなくメサイアを歌う伝統があったこともあり、この長大な曲の隅々までよく慣れ親しんでいるのです。様々な演奏スタイルによるメサイアを演奏したり聞いたりしましたが、ここではミンコフスキの演奏を紹介したいと思います。
かつて(もちろん今もですが)アーノンクールの演奏が過激と言われましたが、ミンコフスキはアーノンクールの過激さをさらに倍増させたような超過激でスリリングな演奏を聴かせます。
ごつごつしてとげとげしくて荒々しい、よくありがちな小奇麗で去勢されたような古楽器演奏のスタイルとは対極をなすエキサイティングな演奏で、その結果は現代的な感覚に満ちた「前衛的」なスタイルであるといっても過言ではないと思います。
テンポの設定一つ取っても有名な「ハレルヤ・コーラス」はまるで「かけっこ」が始まりそうな、過激なまでに速いテンポです。(実は楽譜にはAllegroと書いてあるので、重々しい演奏スタイルが恣意的ともいえますけど)

ミンコフスキはヘンデルのオペラもいくつか録音していますが、どれも非常に刺激的ですのでそちらの方も御一聴をお勧めします。

まっちゃん@シリウス : 10:11 PM | コメント (0) | トラックバック (0)

November 08, 2003

ハイドン:後期ミサ曲

coverガーディナーがモンテヴェルディ合唱団、イングリッシュ・バロック・ソロイスツと共に数年間掛けて録音したハイドンの後期の6曲のミサ曲の録音が3枚組のアルバムとしてまとめて発売されました(バラ売りもあり)。古典派のミサ曲というと、モーツァルトのいくつかのものやベートーヴェンの「荘厳ミサ」が有名ですし、ハイドンの大規模な合唱曲というと「天地創造」や「四季」がよく知られていて、ハイドンのミサ曲はこうしたものに比べるとどうしても地味な感じに捉えられがちですが、ここに収められた後期のミサ曲は、いずれも緻密なコーラスの書法や円熟したオーケストラの扱いなど聞き応えのある箇所が沢山あります。

ガーディナーの演奏はいつも通り非常に透明感溢れるクリアーな響きに満ちていますし、モンテヴェルディ合唱団の驚異的なアンサンブルもいつも通り素晴らしいです。

個人的にはソプラノ・ソロが大活躍の「ネルソン・ミサ」が大好きです。

まっちゃん@シリウス : 09:42 PM | コメント (0) | トラックバック (0)