September 10, 2006
Ornette Coleman: SOUND GRAMMAR
久しくアルバムの途絶えていたオーネット・コールマンの新譜が遂に発売されました!
(前作のヨアヒム・キューンとのデュオ・アルバムが10年前の録音でした)
内容は予想されるとおり、ここ数年活動を続けているツイン・ベースによるカルテットのライヴ録音となっています。
Ornette Coleman: sax, violin, and trumpet
Denardo Coleman: drums and percussion
Gregory Cohen: bass
Tony Falanga: bass
録音:2005/10/14 ドイツ
1. Jordan
2. Sleep Talking
3. Turnaround
4. Matador
5. Waiting for You
6. Call to Duty
7. Once Only
8. SONGX
二人のベーシストがアルコとピッツィカート、高音域と低音域を弾き分けることにより、サウンドの透明性を保ちつつ4人が自由自在な演奏をすることを可能としていますが、かなりのリハーサルやライヴを重ねたのでしょう、バンドとしてのまとまりも抜群です。
最後のSong Xでオーネットがヴァイオリンに持ち替え、ドラムと3人の弦楽奏者という面白い音色の組み合わせでアドリブをやる構成も秀逸でした。
これを起爆剤にどんどんアルバムを発売して欲しいものです。
August 26, 2005
SONG X 20周年記念ヴァージョン
パット・メセニーがオーネット・コールマンと共演した奇盤にして名盤のSONG Xが20周年記念ヴァージョンとして未発表トラック6曲を追加して再発売されました。この未発表トラックがかなり良い演奏で、パット・メセニー寄りのポップなトラックやパット・メセニーとデナード・コールマンのサンプラーの奇妙なデュオなど聞き所満載です。
このアルバムは、そもそもチャーリー・ヘイデン、ジャック・ディジョネット、デナード・コールマンというリズム隊の組み合わせがメチャクチャに変で、そこが大きな魅力にもなっていたのですが、この変なリズム隊の知られざる演奏をもっと聴けるというのもとても嬉しいものです。
November 07, 2003
Ornette Coleman: Tone Dialing
マトリックスと言えば電話ですが、電話ジャケといえばオーネットのこのアルバムです。prime timeバンドで作ったアルバムの中で間違いなくトップクラスに位置する出来栄えだと思います。オーネットのアルト・サックスをメインにキーボード、ツイン・ギター、ツイン・ベース(アコべ+エレベ)、ツイン・ドラム(ドラム+タブラ)というほとんどの楽器を二重に組み合わせながらも、微妙に均衡を崩した楽器編成とハーモロディックのコンセプトが見事に組み合わさり、素晴らしい仕上がりになっています。
ハーモロディックと難しい名前で呼んでも、要するに全ての調性、ハーモニー、テンポ、リズムなどを何の制限もなく各プレイヤーが自由に組み合わせ、それでいて全体でうまくバランスを保つ、という音楽のマンダラを生み出そうとするゆるーいコンセプトなのですが、難解な音楽になることなく、ジャケットの印象通り非常にポップで突き抜けた印象が強烈です。
ちなみにこのアルバムでタブラを叩いているバダル・ロイはマイルスの70年代の名作「オン・ザ・コーナー」にも参加しています。
October 21, 2003
チャパクア
1966年制作のこの映画はオーネット・コールマンがこの映画のためにCD2枚分の音楽を録音して(チャパカ組曲)、結局不採用になった、ということで、存在を知っていましたが、今回初めて映画本体を見る事が出来ました。
これは、大傑作です。マジでヤバイです。ヤバすぎな映画です。
主人公が重度のドラッグ中毒、アルコール中毒になって療養所へ入所するも、症状は良くなるどころかどんどんひどくなって、結局見放されて療養所を去る、というストーリーですが、随所にドラッグによる幻覚を思わせる映像が不意に挿入され、映画を見ていてもどれが現実でどれが幻覚か分からなくなってしまいますし、そんなことはどうでもよくなるイメージのインパクトがものすごいです。
モノクロ映像が貴重となっているこの映画ですが、突然カラー映像が混入するインパクトもものすごいですし、時代を感じさせるチープな映像効果も最高です。
ウィリアム・バロウズが役者として出演しているのもものすごいですが、ほかにも伝説のミュージシャン、ムーンドッグなども一瞬だけですが出演しています。
オーネットの素晴らしい音楽をボツにして採用したのが、ラヴィ・シャンカールの音楽ですが、サイケデリックな映像とインド音楽の組み合わせという発想は実に素晴らしいです。
もし、オーネットのものをそのまま採用していたら、(オーネットの音楽の価値とは全然別の次元で)この映画の素晴らしさは半減したと思います。
幻覚のシーンでタブラの激しいリズムが鳴り響くところなど、見ているこちらもトリップしそうになります。
ちなみにラヴィ・シャンカールの音楽の写譜などのアシスタントをしていたのが若き日のフィリップ・グラス、おそらく彼のもっとも初期の公な仕事ではないかと思いますが、グラスも後に映画音楽のサントラで引っ張りだこになっているのも不思議な縁です。
そして、オーネットはこの映画の20年以上後にバロウズの「裸のランチ」の映画版のすばらしいサントラを提供していますが、これも実に不思議な因縁だと思います。
October 04, 2003
Ornette Coleman: Forms and Sounds
オーネット・コールマンによるクラシック作品集です。
ずっと廃盤になったままなのですが、イギリスのアマゾンで中古を売っているのを発見し、早速取り寄せてみました。
管楽五重奏のForms and Sounds, 弦楽四重奏のSaints and Soldiers, Space Flightという3曲が収録されています。
正直、どの作品も終始ピンボケというのでしょうか、作曲上の焦点が不明確で、つかみどころのない抽象的な響きと変化に乏しいリズムが延々と続く感じですが、そこが逆に面白く感じたりもします。
Forms and Soundsは初演の録音を「クロイドン・コンサート」の中でも聴く事が出来ますが、ここでの録音では管楽五重奏による短いセクションの合間に(あとから付け加えられた)オーネット自身の演奏によるトランペットのインターリュードが挿入されていますから、管楽五重奏とトランペット・ソロ(無伴奏)が交互に繋がるような格好になっています。
オーネットのトランペットのプレイも、さすが本職はアルト・サックス奏者だけあって、音のきちんと鳴らない技術的に難のある、ヘタウマともいえないものなのですが、この下手くそ加減が妙に味があったりもするのです。
と言う訳で褒めてるんだかけなしてるんだか分からないような文章になってしまいましたが、単純につまらない、と切り捨てられないところにオーネットの音楽の不思議さがあります。
September 27, 2003
Ornette Coleman: Dancing in Your Head
本日はクロノスの叙情組曲と、このオーネットの名作アルバムを交互に聴きながらの通勤でした。
たったーららったったーらら、と延々と童謡風なのに妙にファンキーなテーマが延々と繰り返された後にアドリブも延々と続いていきますが、iPodでこの曲を聴くとまさにDancing in Your Headな感じで気持ち良くなっていきます。ロナルド・シャノン・ジャクソンのマーチング・ドラムと盆踊りとファンク・ビートを掛け合わせたようなパワフルなドラムとオーバーダブされたこれまた盆踊り風なパーカッションの交錯が生み出すグルーヴにのってオーネットはじめ、メンバー全員がものすごいエネルギーを放出しながら延々と演奏し続けるこの曲は、時々無性に聴きたくなってしまうのです。

