March 04, 2007
第一回林檎班大会の模様
「東京事変」名義になってから私の林檎姫熱も若干醒めていたのですが、この新しいDVDには久々にやられました。
マイルス・デイヴィス、ビョークなど、素晴らしいミュージシャンはライヴの映像が面白いですが、このライヴも極上です。
椎名林檎と二人のオヤジの共演という企画の地味さを見ただけで期待は高まります。
前半が斎藤ネコ率いるマタタビオーケストラ(それにしてもひどいネーミング・・・)との共演ですが、ヴァイオリンなど弦楽器が沢山並んでるのを見るだけでゴージャスな気分になります。
ジャジーなアレンジをバックにじっくりと歌い上げる様も風格ばっちりですが、実は椎名林檎の曲はジャズ的なコード進行で出来ているのでこうしたアレンジでもしっかりハマるのです。
いつもながらの中途半端で間の悪いMCも気分を盛り上げます。
時々演歌のコンサートを聞いているような気分になるのも林檎姫の計算でしょう。
(このライヴのスタジオ録音版に相当する「平成風俗」も要チェックです)
後半は一転して長谷川きよしとのデュオ(途中からフルートのMAKIが加わりますがオマケ以上の存在感はありません)で退廃的ボサノヴァ風のアレンジで渋く聴かせます。この親子ほど離れた二人の組み合わせも面白いのですが、長谷川きよしが登場する前に林檎姫が足踏みオルガンの弾き語りで聴かせる「幸福論」「ギブス」の切り詰めたアレンジが実は素晴らしかったりします。
ライヴハウスのようなところでの、大ホールでは得られない親密な雰囲気での演奏ですが、椎名林檎ファンのチープな野次には相変わらず失笑です。。
September 08, 2004
東京事変:群青日和
椎名林檎のニュー・プロジェクトの新譜マキシ・シングルです。今回のシングルには林檎姫の作曲した曲がないのでいままでのイメージとはかなり違うし、ポップさが前面に出てきている感じもしますが、ロック魂炸裂のワイルドなアレンジとサウンドはあいかわらず素晴らしいし、もちろん林檎姫の歌も文句ありません。しかし、このジャケットよく見ると結構ふざけてるんですよね(笑
November 03, 2003
椎名林檎、ホクロを取る
林檎姫のトレードマークともいえるホクロを取ったそうです。
あのホクロは「傷」でも何でもなく、むしろチャームポイントですらあった訳ですが、それを敢えて取ることによって自分の中での節目を付けたかった、ということらしいです。
ソースはこちらです。
ちなみに今月末発売予定の新しいシングル「りんごのうた」はもちろんCCCDの予定ですが、他の人なら、CCCDは買わない、と即効却下で済ませられるのが、大ファンなだけに買おうかどうしようか悩んで憂鬱になってしまいます。
August 22, 2003
椎名林檎:性的ヒーリング其ノ参
林檎姫のプロモを集めたDVDの最新作です。
やっつけ仕事、真夜中は純潔、茎、迷彩、映日紅の花、la salle de bainの6曲のプロモとおまけ映像が収録されています。最後のはセカンド・アルバムのテクノ風なアレンジがかっこよかった「浴室」をかなり懲りまくったオーケストラ・サウンドにアレンジし直したものでなかなかヨロシイです。
私は基本的にプロモ・ヴィデオというものは好きではないのです。なんか音に合わせて口パクで映像を無理矢理合わせてる感じが嫌だし、それは林檎姫の初期のプロモもそうだと思ったのですが、ここにきて映像スタッフも林檎姫のキャラクターというものをよく理解してきて、なかなかうまい映像をくっつけられるようになってきたように感じるのです。
特に「やっつけ仕事」の林檎姫はもちろんバンド全員が和装でライブしていて、客も全員和装でなんだか変なポーズで踊っていたりとか、林檎姫の(意図された)キワモノ路線を惜しげもなく踏襲した企画にいたく萌えるのです。
「真夜中は純潔」の70年代アニメを思わせるなんともチープでわざとらしい映像もたまりません。
でも、やっぱり林檎姫はライヴ映像の方がずっと面白いです。
「下克上エクスタシー」「発育ステータス」「賣笑エクスタシー」の3種のライヴDVDが出ていますが、どれもお勧めです。「下克上〜」がファースト、セカンドの名曲がぎっしり詰まっているのでこちらをまずご覧になると良いかと思います。
それにしても、やたらと「エクスタシー」という言葉を濫用してますな、姫は。
March 30, 2001
椎名林檎:真夜中は純潔
椎名林檎のファンである私は、よく変態扱いされてしまうのであるが、それは大ヒットした「本能」の看護婦コスプレのジャケットとプロモのせいであろう(まあ、私も嫌いではないんですが・・・)。それはさておき、椎名林檎の音楽の本質はその「変態性」にある。変態性といっても特殊なものではなく、どんな人でも必ず持っている心の奥底に隠れた変態的な欲望を、理性というフィルターを通さずに白日の下に曝け出しているだけである。その潔さに私は快感を感じるのであるが、ただ感情をぶつけただけの音楽ではなく、音楽職人としての「技」が至る所に散りばめられているところを決して忘れてはいけない。
むしろ、その音楽の技の一つとしてコスプレを含む変態的な要素が組み込まれているといった方が良いのかもしれない。
今月(2001年3月)に発売されたマキシ・シングル「真夜中は純潔」は、そうした「技」が絶妙なバランスで折り込まれた現時点での最高傑作と言えよう。これを聴くと傑作ファースト・アルバム「無罪モラトリアム」ですら遠く霞んでしまう程だ。
このマキシ「真夜中は純潔」は3曲入りであるがすべて違ったフォーマットでの演奏となっている。1曲目の「真夜中は純潔」は新東京スカパラダイスオーケストラ、2曲目の「シドと白昼夢」は東日本スウィングパラダイスオーケストラ、3曲目の「愛妻家の朝食」は全日本スケルツォパラダイスオーケストラとの共演である。
新東京スカパラダイスオーケストラとは実際は東京スカパラダイスオーケストラ(いわゆるスカパラ)のことであるが、あとの2つのバンドは「パラダイス」という言葉だけ使ってでっち上げたネーミングであろう。
スカパラはもちろんスカのバンド、東日本スウィングパラダイスオーケストラはジャズのビッグ・バンド、全日本スケルツォパラダイスオーケストラはピアノ、ベース、ドラムのトリオにcobaのアコーディオンが加わった編成であり、3曲それぞれがバラバラのサウンドなのであるが通して聴いてみても圧倒的な統一感と連続性を全く失っていない。
全曲に共通しているものは、えげつないまでにキメキメのグルーヴである。他の椎名林檎の作品すべてにも見られる言葉をリズムにのせる極上のセンスはますます磨きが掛かっているが、その言葉のグルーヴをさらに鼓舞するのが、ベースである。
3種類の違ったフォーマットであるがその中で一貫しているのがベースにウッド・ベース(1曲目だけ電気アップライト・ベースであるがまあ似たようなものである)を使っていることである。
このベースの楽器選択によって全体のサウンドが独特のグルーヴ感を生み出し、3曲のグルーヴ感に統一性を与えることに成功しているのだが、特に「真夜中は純潔」でのベース・ラインはロン・カーターもびっくりの絶妙なグルーヴであり、それがこれまた絶品なギターのカッティングと重なりあうことによってバンド全体のグルーヴを鼓舞している
このベース・ラインにティンパニがドン・ディンと絡んで来るところも失禁必至のカッコ良さであるが、そのパラダイス・サウンドの上で軽やかに舞う椎名林檎のヴォーカルの素晴らしさはもちろんいうまでもない。
この曲にしても「シドと白昼夢」のビッグ・バンドのサウンドにしても、スカやジャズが持っているえげつなく下品な要素が高濃度で抽出されているのだが、椎名林檎のグルーヴィーなヴォーカルによって魂を吹き込まれる様をこうして聴くことは痛快である。
ちなみに、cobaはビョークとも共演していて、そこでのプレイは極めてスピリチュアルなものであったが、「愛妻家の朝食」で聴かせるプレイは表面的なフレージングなどは変わっていないはずなのに、椎名林檎というキャラが加わることによって彼の下心がバレバレになってしまう結果となっていて興味深い。
本当はCDを掛けながら、ここの音が・・なんて1音1音説明したいくらい細部にまでフェティッシュなこだわりが感じられるのであるが、そこんとこは皆さんでCDを買って直接体験して欲しい。
