June 17, 2004
Chaka Khan: C. K.
先日の記事でも紹介した、マイルスとプリンスの共演した唯一の公式トラックの含まれたこのアルバムをようやくゲットしました。といっても共演しているのは立たったの一曲「Sticky Wicked」で、プリンスがプロデュース&演奏したバッキングにマイルスがトランペット・ソロを加えたもの(おそらくオーバーダビング)です。この1曲のためだけにこのアルバムを買っても良いといえるほど、非常にクールな仕上がりとなっています。いかにもプリンス的なファンキーなグルーヴにのってチャカ・カーンが素晴らしいヴォーカルを繰り広げますが、いつまでたってもマイルスのトランペットの音色は聞こえてきません。もうこのままフェイドアウトしてしまうのではないか、というくらいのタイミングになってようやくマイルスが吹き始めます。
「プッ」
たった一音吹いてやめてしまいます。
(一音聴いただけでマイルスと分かる非常に印象的な音色ではあります)
おいおい、と思っているとしばらくしてもう少し長いフレーズを吹き始めます。
「パラパラパラ」
さっきより長いけどでもまだまだ一瞬だな(3秒くらい)、ひょっとしてこのままこの曲が終わってしまうのではないかな、と不安に思っていると、だんだんフレーズが長くなっていきます。とはいえ、非常に使う音を限定したストイックなプレイに終始します。
マイルスの至高のプレイというにはやや苦しいですし、結構気楽にレコーディングした感じではありますが、それでも凡庸なプレイヤーには決して真似の出来ない非常に素晴らしいプレイで思わず何度も聴きたくなります。
ちなみにMILES DAVIS-Trumpet Solo and Additional Vocalsというクレジットがありますが、このヴォーカルというのは一番最後にスタジオでのやりとりでのマイルスの話し声のことです(汗
それにしても、このアルバム、このマイルスの参加だけでなく、スティーヴィー・ワンダー、オマー・ハキム、デイヴ・グルーシン、マーカス・ミラーなど、よくここまで一枚のアルバムのために集めたなと思いたくなるほど、スーパー・ミュージシャンが勢ぞろいしていて、ほかのトラックも非常に聞き所があります。
June 11, 2004
元プリンス:Crystal Ball
元プリンス名義(正確にはあの読めない変な記号)での4枚組の未発表曲などを集めたアルバムです。お蔵入り曲集といっても、信じがたいほどどの曲もクオリティが高くて腰が抜けるほどびっくりしてしまいますし、単純にファンク度の高いブリブリのグルーヴがとても気持ちいいです。プリンスの大作といえば3枚組のEmancipationが思い浮かびますが、こちらも分量がある割にどの曲も凄まじくクオリティが高かったりするので、未発表曲でも質が高いというのは驚くに値しないのかもしれませんが、質も量も共にすごいというのには、やはりビビってしまいます。
プリンスのサウンドの重ね方って後期のマイルスのバンドのそれと非常に通じるものがあると思うのですが、この曲の1枚目の最後の方に入っているMovie Starを聴いて、ハッとなりました。「これマイルスやってなかったっけ?」
例のモントリオール箱を探していると、確かにやってました。もちろん作曲者にプリンスのクレジットも入っています。そしてマイルス・ヴァージョンとプリンス・ヴァージョンを聴き比べて、やはり音楽性の近さというのを感じました。
マイルスとプリンスの共演した公式トラックはチャカ・カーンのアルバムに入っている1曲だけのようですが(私は未聴)、音楽性が似通っていてもやはりお互いの個性が強すぎてうまくブレンドしないのではないかと思います。
プリンスは「陽」に突き抜けていく究極のポップ・サウンドだとすると、マイルスは同じポップでも、常に「陰」に向かっていく感じがします。
